は行の用語
ばいばいけいやく当事者の一方が、ある財産権を相手方に移転する意思を表示し、相手方がその代金を支払う意思を表示し、双方の意思が合致することで成立する契約のこと(民法第555条)。
売買契約は諾成契約とされている。つまり、当事者の双方が意思を表示し、意思が合致するだけで成立する(財産が引き渡されたときに成立するのではない)。
また、売買契約は不要式契約なので、書面による必要はなく口頭でも成立する。
さらに、売買契約は財産権を移転する契約であるが、その対価として交付されるのは金銭でなければならない(金銭以外の物を対価として交付すると「交換契約」となってしまう)。
当事者の双方の意思の合致により売買契約が成立したとき、売主には「財産権移転義務」が発生し、買主には「代金支払義務」が発生する。両方の義務の履行は「同時履行の関係」に立つとされる。
はたざおち袋地から延びる細い敷地で道路(公道)に接するような土地をいう。
その形が竿のついた旗に似ていることから旗竿地と称される。
建築基準法では、建物の敷地について、道路に接する間口が2m以上なければならないとされているが、旗竿地は、その基準を最低限度で満たす土地である。公道からのアクセスの不便さ、周囲すべてを隣地に囲まれているという敷地環境、比較的低い地価水準などが特徴とされる
ひょうじとうき土地・建物に関する物理的状況を表示した登記のこと。
一筆の土地または一個の建物ごとに作成される登記記録のうち、表題部に記載される。
表示登記に記載される事項は、土地の登記記録については「所在の市区郡町村および字」「地番」「地目」「地積」「表題部所有者」等とされている。
また、建物の登記記録については「所在の市区郡町村および字」「建物所在の地番」「家屋番号」「種類」「構造」「床面積」「付属建物」「表題部所有者」等とされている。
区分建物(分譲マンションなど)については、一棟の建物全体についての表題部と個々の区分所有建物についてのものと、両方の表題部が存在する(詳細は「区分建物の登記記録」参照)。
なお一筆の土地または一個の建物について、最初に行なわれる表示登記のことを特に「表題登記」と呼ぶ(不動産登記法第2条第20号)。
新たに土地が生じた場合(埋立・分筆など)や、建物を新築した場合などには1月以内に表題登記を申請しなければならない。
ひょうだいぶしょゆうしゃ一筆の土地または一個の建物ごとに作成される登記記録において、まだ所有権の保存の登記がされていない時点で、表題部に所有者として表示されている者のこと。
ふくろちある土地が他の土地に囲まれているために、公道に出るには他の土地を必ず通行しなければならない場合には、この囲まれている土地のことを「袋地」という。
ふつうしゃくちけん借地借家に関する法制度は、かつては借地法・借家法の二本立てであったが、1992(平成4)年8月1日に借地借家法が施行されたことにより、一本化された。
この新借地借家法(1992(平成4)年8月1日施行)にもとづく借地権であって、定期借地権ではない借地権のことを「普通借地権」と呼ぶ。
これに対して、旧借地法にもとづく通常の借地権のことを「旧法上の借地権」と呼ぶことがある。
普通借地権と旧法上の借地権の間には、次のような違いがある。
1.旧法上の借地権は、あらかじめ存続期間を定めなかった場合には、非堅固な建物(木造を指す)については存続期間を30年とし、堅固な建物については存続期間を60年としていた。
しかし、普通借地権では建物の堅固・非堅固による区別がなく、あらかじめ存続期間を定めなかった場合には存続期間を30年とした。
2.旧法上の借地権は、建物が老朽化し、朽廃した場合には、借地権が自動的に消滅することとされていた(旧借地法第2条、第5条)。しかし、普通借地権にはこうした朽廃による消滅の規定がない。
このようにいくつかの相違点があり、しかも現在でも、旧法上の借地権による借地と普通借地権による借地が並存しているため、不動産広告等では両者の違いを明記することが多い。