地代の値上げ請求

地代の値上げを請求されたら、どうなるのでしょうか。

借地には、何十年、時には100年を超える契約関係があるため、その借地についての過去の歴史の積み重ねがあり、同じような地域で同じような借地であっても、地代に大きな差が生じることがあります。住宅地、商業地等によって異なりますが、固定資産税等(正確には、固定資産税及び都市計画税の合計)の年額の3倍から10倍超えまでいろいろです。地価が乱高下し、それに応じて固定資産税額等も大きく変動した地域では、過去の高値覚えのため、地代が高くなっているところもあります。

そうした状態で、地代の値上げ請求を受けた場合、どのように対応するべきでしょうか。

間違いなく言えることは、一定額以上の地代の場合、専門家、弁護士と相談することです。

地代値上げ請求の法的手続きは、借地借家法11条に規定があり、地主から値上げ請求があったからと言って、必ずしも、そのまま、値上げに応じる必要はありません。とりあえずは、請求を受けた借地人が相当と認める地代を払っておけば、当面の問題はありません。

ただし、あまりにも安い賃料では、地主の権利が害されているとして、後々明け渡し請求等の理由となり得るので、安ければ、借地人有利、というものでもありません。固定資産税額の2倍以下の地代では、問題があると思います。

そこで、現在では、土地賃貸借契約書等を持参すれば、都税事務所、又は市町村役場で、借地について地主がいくら固定資産税等を課税されているかが明確になる、固定資産関係証明、又は公課証明の発行を受けられます。地代増額の請求を受けたときは、まず、地主が負担する固定資産税等の額を調査することをおすすめします。

借地人としては、いくらまで負担するつもりがあるかを決めて、地主からの要求が法外と思える場合には、地主からの裁判手続きを待つという対応になるでしょう。地代増額の裁判手続きでは、話し合いがつかないと裁判所での鑑定が必要になり、数十万円以上の費用がかかるので、手軽な手続きではありません。

なお、借地権と借地上の建物の譲渡をする場合は、譲渡交渉又は、地主の承諾に変わる裁判所の許可を得る手続き中で、地代の増額が考慮されます。

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