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借地権を相続したものの、そこで生活する予定がない場合、地主に借地権の買い取りを検討する方もいるでしょう。
地主の立場から見れば、借地権の買取によってその土地を自由に活用できるチャンスが増えるため、買い取りを承諾する可能性は十分にあります。
しかし地主との条件や金額の交渉は必須であり、簡単ではありません。
本記事では、借地権を買い取ってもらう際の一般的な相場や、メリット・デメリットを借地権買取に応じない場合の対処法を解説しています。
地主に借地権と買い取ってもらうことはできる?

結論からいうと、地主の同意があれば、借地権を地主に買い取ってもらうことは可能です。
借地権の契約期間は長期にわたることが多く、地主にとっては将来的に土地を返してもらいたいと考える場合も少なくありません。
そのため、状況によっては地主が買取に同意してくれることもあります。
地主との信頼関係を築いたうえで、上手に交渉することが重要なポイントでしょう。
また契約書などに明記がない場合であっても、借地権を持つことで以下のような義務と権利が発生します。
借主の権利 | 借地権 | 建物を建築するために地主から土地を借りる権利 |
---|---|---|
建物買取請求権 | 地主が更新を認めないときに買取を請求できる権利 | |
借主の義務 | 原状回復義務 | 借りたときの状態(=更地)にして、貸主に物を返す義務 |
建物買取請求権について、いつでも建物を買い取ってもらえると勘違いする人もいますが、これの権利は地主が借地権の更新を拒否した場合に限り使えます。
要するに建物買取請求権は、借地人が借地権の更新を希望しているにもかかわらず、地主が更新を認めない場合に行使できる権利で、その際、地主は基本的に買取を拒否できません。
引っ越しを考えている、相続した家を手放したいなど借地人側の都合の場合は、地主の同意を得られれば買取ってもらうことができます。
借地権を地主に買い取ってもらう際の一般相場
借地権を地主に買い取ってもらう際の相場は、更地価格を基準に、誰が買取を提案したかによって異なります。
地主から買取を提案された場合は、更地価格の6~7割程度が目安となります。
これは路線価図に記載されている借地権割合が基準となっており、借地人の引越し費用などの補償が上乗せされる場合もあります。
一方、借地人から買取を希望する場合は、更地価格の5割程度で買い取られるケースが多いです。
これは、借地人側に事情があり、地主に買い取ってもらう方が手間や時間がかからず、手元に残るお金も多いというメリットがあるためです。
いずれの場合も、最終的な買取価格は地主との交渉によって決定されます。 借地権の買取には専門的な知識が必要となるため、不動産会社に仲介を依頼するのがおすすめです。
地主に借地権を買い取ってもらうメリット

「地主に借地権を買い取ってもらう」という選択肢は、借地人にとって以下のようなメリットがあります。
【地主に借地権を買い取ってもらうメリット】
- 地代支払いの負担から解放される
- 売却にかかる承諾料が不要
主に金銭面でのメリットがあるため、地主に買い取ってもらう方法で借地権を手放すことができれば、ライフプランを見直すうえでも大きなコスト削減になるでしょう。
地代支払いの負担から解放される
地主に借地権を買い取ってもらうことで、借地人は地代の支払い義務から解放されるというメリットがあります。
例えば、相続によって借地を受け継いだものの、特に使い道がなかったり、自分では維持が難しかったりする場合、地代の支払いが少なからず負担になるでしょう。
特に借地契約が長期的に残っていると、将来にわたって大きな支出を伴います。
このようなケースで地主に借地権を買い取ってもらえば、地代を払い続ける必要がなくなり、資金面での負担が軽減されます。
また、土地の管理に関する手間やコストが省けることも大きなメリットと言えるでしょう。
売却にかかる承諾料が不要
地主に借地権を買い取ってもらう際のメリットとして、承諾料が不要であることが挙げられます
通常、借地権を第三者に売却する場合には、地主に承諾を得る必要があり、その際に承諾料を支払うことが一般的です。
この承諾料は借地権価格の10%程度と言われています。地主自身が借地権を買い取る場合、承諾はあらかじめ得られているため承諾料が発生せず、第三者への売却と比較して費用負担が軽減されます。
地主に買取ってもらうことで、資金面での負担を減らしつつスムーズに借地権を手放すことができるでしょう。
地主に借地権を買い取ってもらうデメリット

借地権を地主に買取ってもらう場合にはデメリットもあるため、メリットと比較しながら対応を検討しましょう。
【地主に借地権を買い取ってもらうデメリット】
- 希望の売値では売却できない可能性がある
- 地主に有利な条件で進められる可能性がある
希望価格で売却できない可能性がある
地主に借地権を買い取ってもらう際、希望の売値で売れない可能性があります。
地主側としては、できるだけ安く買い取りたいと考えることが一般的です。
また、そもそも借地権を買い取る義務もないため、地主が拒否すれば売却は成立しません。
地主と借地人で価格の認識が異なることも多く、価格交渉は時に難航するでしょう。
両者にとって納得できる適切な価格を見つけるには、価格面での譲歩が必要になるケースが多く、希望価格での売却は難しいかもしれません。
地主に有利な条件で進められる可能性がある
地主に借地権を買い取ってもらう際、地主に有利な条件で交渉が進む可能性があります。
地主に買い取りの義務がないことや、地主の多くは「使わないなら更地で返してほしい」と考えていることが多いため、借地人は条件面で譲歩を求められる場面が多くなります。
早く手放したい借地人にとっては、地主の意向に従わざるを得ないケースも多いでしょう。
このように地主に借地権を買取ってもらうには、交渉が成功の鍵を握っていると言っても過言ではないのです。
地主に借地権を買い取ってもらう際の注意点

地主に借地権を買い取ってもらう際には、以下のポイントに注意しましょう。
借地権の売買には細かなルールや制約があるため、地主と借地人の間でトラブルに発展しかねません。
【地主に借地権を買い取ってもらう際の注意点】
- 価格交渉しすぎない
- 建物解体費用の負担について決める必要がある
- 更地に戻すタイミングは見極めが必要
- 口約束ではなく書面に残す
- 借地権になれた不動産業者に仲介を依頼する
価格交渉しすぎない
地主に借地権を買い取ってもらう際、価格交渉しすぎないことも重要なポイントです。
借地権には明確な相場がなく、価格は地主との交渉によって決まるケースがほとんどです。
売る側はは少しでも高い金額を希望しますが、地主側も当然できるだけ安く買いたいと考えています。
交渉が難航しすぎると、地主が買取を拒否する可能性も出てくるため、譲歩が必要になることも理解しておきましょう。
地主に売ることで、地代の支払い義務から解放されるなどの金銭的メリットが得られる点も考慮して、価格を調整する姿勢が大切です。
建物解体費用の負担について決める必要がある
借地権を地主に買い取ってもらう際、建物解体費用の負担について話し合うことも重要です。
地主側が「更地の状態で引き渡してほしい」と考えている一方で、借地人は「現況のまま引き渡せば良い」と思っているなど、認識のズレが生じる場合もあります。
買取金額について合意に達しても、解体費用負担の問題を疎かにしていたことが原因で再度交渉が必要となり、契約が振り出しに戻る可能性もあります。
そのため、スムーズに手続きを進めるためには、解体費用をどちらが負担するのかを事前に明確にしておくことが大切です。
更地に戻すタイミングを見極める
借地権を地主に買い取ってもらう際、更地に戻すタイミングにも十分な注意が必要です。
解体して更地にしたにもかかわらず、地主が最終的に買い取りを拒否するといったトラブルも起こり得ます。
借地権の主張において、借地の上に建物が存在することは重要な要素となるため、早急に建物を取り壊すと権利の保護が難しくなる可能性があります。
もし引き渡しまでに更地にする義務がある場合には、地主の都合で売買契約が解除された際の取り決めをあらかじめ行っておき、トラブルを回避できるようにしておきましょう。
口約束ではなく書面に残す
借地権の買取に関する取り決めは、口約束ではなく書面に残すことが非常に重要です。
書面に残すことで、双方の合意内容が明確になり、後のトラブルを防ぐことができます。
万が一の時にも法的な証拠として役立つでしょう。
とくに、解体費用や引き渡しの条件など、詳細な約束が含まれる場合は、書面にすることで安心して取引を進められます。
借地権になれた不動産業者に仲介を依頼する
借地権の買取を検討する際、借地権に精通した不動産業者に仲介を依頼することが重要です。
借地権の取り扱いには不動産や法律に関する専門的な知識が必要であり、手続きも複雑です。
特に、地主との交渉は成功の鍵を握るため、経験豊富な業者が間に入ることで、上手に交渉を進めてくれるでしょう。
自分で交渉を行うと感情的な対立が生じ、最悪の場合、地主との関係が悪化して買取はおろか第三者への売却の許可も降りないなど、借地権を手放しづらくなるリスクもあります。
専門の業者がサポートすることで、双方にとって納得のいくよう、交渉を進めることができるでしょう。
地主が借地権買取に応じない場合の対処法

地主が借地権買取に応じない場合、以下の対処法を実践すると良いでしょう。
【地主が借地権買取に応じない場合の対処法】
- 第三者に売却する
- 借地権を地主に返却する
- そのまま借地権を持ち続ける
それぞれ詳しく解説します。
第三者に売却する
借地権は第三者に売却することも可能な権利です。
地主が借地権の買い取りに応じない場合、第三者への売却は借地人にとって比較的、負担が少ない選択肢となります。
ただし、第三者に借地権を売却する際には、地主の承諾が必要であり、その際に承諾料の支払いを求められることがあります。
これらの条件を理解した上で、第三者への売却を検討することが重要です。
借地権を地主に返却する
借地権の買取に応じてもらえない場合、借地権を無償で返却する方法も一つの選択肢になります。
この場合、地主側には費用が発生しないため、快諾する可能性が高まります。
ただし、この方法は借地権者にとって最も金銭的な負担が大きくなるパターンです。
借地を無償で返却するうえ、建物を解体し更地にして返す義務があるため、解体費用も負担しなければならないからです。
そのまま借地権を持ち続ける
地主が借地権の買取に応じない場合は、借地権をそのまま持ち続けることも間接的な対処法といえます。
自身で建物を使用しない場合は、賃貸に出して毎月賃料をもらうこともできます。
ただし、自身で住む、賃貸に出す、いずれの場合でも、借地人は以下のような建物の維持管理費用を負担しなければなりません。
- 地代
- 借地権の更新料
- リフォーム費用
- 建物の固定資産税・都市計画税
- 建替えする場合には建て替え費用及び建て替え承諾料
まとめ

地主への借地権の買取を検討する際には、地主との交渉が成功の鍵を握ります。
借地権の買取や売却は、通常の不動産売買とはルールが異なるため、トラブルに発展するケースも珍しくありません。
そのため自身での交渉は避け、専門的な知識や実績のある不動産業者に仲介を依頼することをお勧めします。
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