借地権マンションの売却相場は?
所有権との違いやデメリット、注意点も解説

借地権付きマンションの売却は、所有権マンションとは異なる複雑なプロセスや特有の課題があり、「売却できるのだろうか」「相場はどのくらい安くなるのか」といった不安を抱える方も少なくありません。
しかし、適切な知識と準備があれば、借地権マンションの売却は十分に可能です。
 
この記事では、借地権マンションの売却相場が所有権マンションよりも安くなる理由を明確にし、その具体的な価格決定要因を徹底解説。
さらに、地主の承諾や住宅ローンの問題、地代・更新料の負担など、売却時に直面するデメリットとその対策、譲渡承諾料の交渉ポイントまで網羅的にご紹介します。
 
旧法借地権、普通借地権、定期借地権といった借地権の種類ごとの特徴を理解し、売却活動を始める前の準備から、売却に強い不動産会社の選び方、そしてスムーズな売却を実現するための全ステップを時系列で解説することで、あなたの借地権マンション売却を成功に導くための道筋が明確になるでしょう。

【この記事のまとめ】

  • 借地権マンションは所有権と異なる特殊な権利形態
    土地を借りて建物を所有するため、地代や更新料、地主の関与といった制約があり、売却の進め方や価格に影響します。
  • 売却相場は所有権マンションより低くなりやすい
    土地の所有権がないことや住宅ローンの組みにくさ、地主承諾・譲渡承諾料の存在により、買主が限定され価格が下がる傾向があります。
  • 売却成功の鍵は事前準備と専門家選び
    借地契約内容を確認したうえで、借地権に強い不動産会社と早めに地主交渉を進めることで、スムーズな売却が実現しやすくなります。

監修
宅地建物取引士 坂東裕

2013年より不動産業に従事。
2015年に宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナーを取得。

地主交渉のスペシャリスト。借地権にとどまらず、事故物件、収益ビル、倉庫、アパート等、各種不動産売買に精通している。
累積取引数は300件を超える。

趣味は不動産と料理。得意料理はイタリアン。

監修
宅地建物取引士 坂東裕

2013年より不動産業に従事。
2015年に宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナーを取得。

地主交渉のスペシャリスト。借地権にとどまらず、事故物件、収益ビル、倉庫、アパート等、各種不動産売買に精通している。
累積取引数は300件を超える。

趣味は不動産と料理。得意料理はイタリアン。

借地権マンションの売却前に押さえるべき基礎知識

借地権マンションの売却前に押さえるべき基礎知識
借地権マンションの売却を検討する際、まず理解すべきは、その物件が持つ「権利」の特殊性です。
所有権マンションとは根本的に異なる点が多く、これが売却の難易度や価格に大きく影響します。
ここでは、借地権と所有権の違いから、借地権の種類と特徴まで、売却前に押さえるべき基礎知識を解説します。

借地権と所有権の根本的な違いを理解する

マンションの権利形態には、大きく分けて「所有権」と「借地権」の2種類があります。
この違いを理解することが、借地権マンション売却の第一歩です。
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項目 所有権マンション 借地権マンション
権利の範囲 土地と建物の両方を所有 土地は地主から借りる権利(借地権)、建物は所有
月々の費用 管理費、修繕積立金、固定資産税 最低 管理費、修繕積立金、固定資産税に加え、地代が発生
売却時の自由度 原則として自由に売却可能 地主の承諾が必要となる場合が多い
住宅ローンの利用 一般的に利用しやすい 金融機関によっては利用が難しい、または条件が厳しい
価格相場 市場価格に準じる 所有権マンションよりも安価になる傾向がある
借地権マンションは、土地を借りる権利であるため、地主との関係が常に発生します。
地代の支払い、更新料、そして売却時の地主の承諾など、所有権にはない特有の制約や費用がある点を深く理解しておく必要があります。

借地権の3つの種類とそれぞれの特徴

借地権と一口に言っても、その内容は法律の改正によって大きく3つの種類に分けられます。
それぞれ売却に与える影響が異なるため、ご自身のマンションがどの種類の借地権に該当するかを確認することが重要です。

旧法借地権

1992年8月1日以前に設定された借地権を「旧法借地権」と呼びます。この借地権は、借主の権利が非常に強く保護されているのが特徴です。
存続期間は、建物の種類によって異なりますが、堅固な建物であれば30年、それ以外は20年、契約期間の定めがないものは、堅固な建物で60年、非堅固な建物は30年とされ、更新後は30年又は20年となります。
地主が正当な理由なく更新を拒否することは極めて困難であり、実質的に半永久的に土地を借り続けられるケースも少なくありません。
売却時には地主の承諾が必要ですが、地主が承諾しない場合でも、裁判所に申し立てて許可を得られる可能性があります。

普通借地権

1992年8月1日に施行された借地借家法に基づいて設定された借地権のうち、更新が可能なものを「普通借地権」と呼びます。
最初の存続期間は30年で、更新後は20年、さらに更新後は10年となります。旧法借地権と同様に、地主は正当な事由がない限り更新を拒否できません。
この「正当事由」は非常に厳しく判断されるため、借主の更新権は依然として強力です。売却や建て替え、増改築の際には、地主への承諾料や更新料が発生するのが一般的です。

定期借地権

普通借地権と同じく借地借家法に基づくものですが、最も大きな特徴は「更新がない」点です。
存続期間は50年以上と定められており、期間満了とともに借地権は消滅し、土地は地主に返還されます。建物の買取り請求権も原則として認められていないため、期間満了時には建物を解体して更地にして返還するのが一般的です。
定期借地権は、さらに「一般定期借地権」「建物譲渡特約付借地権」「事業用定期借地権」に細分化されますが、マンションで多く見られるのは「一般定期借地権」です。更新がないため、残存期間が短くなるにつれて物件の資産価値が大きく下がる傾向があり、売却がより難しくなる可能性があります。

借地権マンションの売却相場を徹底解説

借地権マンションの売却を検討する際、最も気になるのが「いくらで売れるのか」という売却相場でしょう。
ここでは、その価格が所有権マンションとどう異なるのか、そしてどのような要因で決定されるのかを詳しく解説します。

売却相場は所有権マンションより安くなる理由

借地権マンションの売却相場は、一般的に所有権マンションよりも安くなる傾向にあります。
その主な理由は、以下の点が挙げられます。
  • 土地の所有権がないこと:買主は建物の所有権は得ますが、土地は地主から借りている状態です。そのため、地代の支払い義務や契約更新の必要性など、所有権にはない制約が伴います。
  • 住宅ローン利用の困難さ:多くの金融機関は、借地権マンションを担保とした住宅ローンに消極的です。土地の所有権がないため担保価値が低く評価されやすく、買主がローンを組みにくいことが、購入希望者を限定し、結果的に価格を下げる要因となります。
  • 地主の存在と制約:売却時には地主の承諾が必要であり、承諾料の支払いが発生します。また、将来的な建て替えや大規模なリフォームにも地主の許可が必要となるケースが多く、これらの制約が敬遠される一因となります。
  • 市場の需要の少なさ:上記のような制約があるため、借地権マンションは所有権マンションに比べて市場での需要が限定的です。需要が少ない物件は、価格競争が起こりにくく、相場が低くなりがちです

立地や築年数以外の価格決定要因

マンションの売却価格は、立地や築年数、広さといった一般的な要因に加え、借地権マンション特有の要素が大きく影響します。
特に重要なのは以下の点です。
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要因 詳細
借地権の種類 旧法借地権、普通借地権、定期借地権のいずれであるかによって、残存期間や更新の可否、契約終了時の取り扱いが異なり、価格に影響します。特に定期借地権は期間満了で土地を返還するため、その残存期間が価格に直結します。
借地権の残存期間 借地権の残りの期間が長いほど、利用価値が高まり、価格も高くなる傾向があります。特に定期借地権では、残存期間が短いほど価格は下がります。
地代の金額 毎月支払う地代が高い場合、買主の負担が大きくなるため、売却価格は低くなる傾向にあります。周辺の相場と比較して妥当かどうかも重要です。
譲渡承諾料の慣行 売却時に地主へ支払う譲渡承諾料の相場や、その交渉の余地があるかどうかは、実質的な売却益に影響します。
地主の協力度 地主が売却に対して協力的であるか、または非協力的であるかによって、売却の難易度や期間、さらには価格にも影響を及ぼすことがあります。

正確な売却相場を知るための不動産査定

借地権マンションの売却相場は、所有権マンションに比べて複雑な要素が絡むため、専門知識を持つ不動産会社による査定が不可欠です。
正確な相場を知るためには、以下の点を考慮しましょう。
  • 借地権に強い不動産会社を選ぶ:借地権取引の実績が豊富で、地主との交渉経験がある不動産会社を選ぶことが重要です。一般的な不動産会社では、借地権の特性を十分に理解していない可能性があります
  • 専門の買取業者に査定を依頼する:借地権付き物件を専門に扱う不動産会社(買取業者)に直接マンションを買い取ってもらうことで、早く物件を手放して現金化できます。厄介な地主との交渉を買取業者が代行してくれて、売却後の建物の不具合に関する責任(契約不適合責任)も免除されます。
  • 査定額の根拠を確認する:提示された査定額に対し、どのような借地権の種類や残存期間、地代、周辺の取引事例などが考慮されているか、その根拠を詳しく確認しましょう。
これらのステップを踏むことで、ご自身の借地権マンションが市場でどの程度の価値を持つのか、より正確に把握し、売却戦略を立てる上での重要な指標とすることができます。

借地権マンション売却で直面する5つのデメリット

借地権マンション売却で直面する5つのデメリット
借地権付きマンションの売却は、所有権マンションとは異なる特有の課題を抱えています。
これらのデメリットを事前に理解し、適切な対策を講じることがスムーズな売却成功の鍵となります。
ここでは、特に注意すべき5つのデメリットとその影響について解説します。
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デメリット 所有権マンションとの主な違い 売却活動への影響
地主の承諾が必要 所有権は承諾不要 売却開始までに時間と費用がかかる、地主との交渉が必要
住宅ローンが組みにくい 所有権は一般的に組みやすい 買主が限定される、現金購入者を探す必要がある
地代・更新料の負担 所有権は不要 買主にとって継続的なコストとなる、購入意欲に影響
建て替え・リフォームに制限 所有権は原則自由 資産価値や将来の利用計画に影響、地主の承諾が必要な場合も
将来の契約更新に不安 所有権は契約更新の概念なし 買主にとって長期的な居住の不確実性がある、特に定期借地権

地主の承諾なしでは売却できない

借地権を売却する際には、土地の所有者である地主の承諾が必須となります。これは、借地権が土地の利用権であり、その権利を第三者に譲渡するには地主の同意が必要とされるためです。地主が承諾してくれない場合、売却活動を進めることができません。
承諾を得るためには、多くの場合「譲渡承諾料」と呼ばれる費用を地主に支払う必要があります。この承諾料の金額は、借地権価格の10%程度が相場とされていますが、法律では決まっておらず、地主との交渉によって変動することもあります。
もし地主が承諾してくれない場合は、裁判所に借地非訟手続きを申し立てて、地主の承諾に代わる許可を得る方法もありますが、時間と費用がかかるため、売却活動の大きな障壁となります。

買主が住宅ローンを組めない可能性がある

借地権付きマンションは、所有権マンションに比べて住宅ローンを利用しにくいというデメリットがあります。
金融機関は、土地が担保にならない借地権付き物件に対して融資をためらう傾向があるためです。
万が一、買主がローンを滞納した場合、金融機関は土地を差し押さえることができないため、リスクが高いと判断されます。
 
一部の金融機関や特定の条件(例えば、地主が金融機関の抵当権設定を承諾する場合や、保証会社の保証が得られる場合など)を満たせばローンを組める可能性もありますが、選択肢は限られます。特に、一般的な住宅ローンでは難しいケースが多く、現金で購入できる買主や、一部の提携ローン、または【フラット35】などの特定の住宅ローンに限られる傾向にあります。
これにより、買主の層が限定され、売却期間が長期化したり、希望価格での売却が難しくなったりする可能性があります。

地代や更新料の負担が発生する

借地権マンションの所有者は、土地の所有者である地主に対して、毎月または毎年、「地代」を支払い続ける義務があります。
これは、土地を借りている対価として発生する費用であり、所有権マンションにはない継続的な経済的負担です。
また、借地契約の期間が満了し、契約を更新する際には「更新料」が発生するのが一般的です。
更新料の相場は、借地権価格の5%〜10%程度と言われています。
 
これらの地代や更新料は、買主にとってマンション購入後のランニングコストとなるため、購入をためらう要因となり得ます。
地代は経済状況や固定資産税の変動によって値上げされる可能性もあり、将来的な負担増のリスクも考慮しなければなりません。

建て替えやリフォームに制限がある

借地権付きマンションでは、建物に関する自由な建て替えや大規模なリフォームが制限されることがあります。
特に旧法借地権の場合、地主の承諾なしに建物の増改築を行うことが原則として禁止されているケースが多く見られます。
たとえ軽微な修繕であっても、契約内容によっては地主への通知や承諾が必要となる場合もあります。
 
これは、建物の状態が土地の利用状況に影響を与え、地主の権利に関わるためです。地主の承諾が得られない場合、希望するリフォームや建て替えができず、建物の陳腐化が進んだり、居住者のライフスタイルの変化に対応できなかったりする可能性があります。
結果として、物件の資産価値や利便性が低下し、売却時の評価にも影響を与えることになります。

将来の契約更新に不安が残る

借地権は、定められた契約期間が満了すると、その後の契約更新について検討が必要になります。
特に「定期借地権」の場合、契約期間が満了すると原則として土地を地主に返還しなければなりません
建物の取り壊し費用も借地権者の負担となるため、将来の住まいや資産計画に大きな不確実性をもたらします。
 
「普通借地権」の場合は、契約更新が原則ですが、地主が正当な事由をもって更新を拒絶する可能性もゼロではありません。
また、更新時には地代や更新料の見直しが行われることが多く、条件が不利に変更されるリスクも存在します。
このような将来的な契約更新の不確実性は、買主にとって長期的な居住計画を立てる上での懸念材料となり、売却の難易度を高める要因となります。

借地権マンション売却における注意点と対策

借地権マンションの売却は、所有権マンションとは異なる特有の課題を伴います。
これらの課題を事前に理解し、適切な対策を講じることで、スムーズかつ有利な売却を目指すことが可能です。
ここでは、特に重要な注意点と具体的な対策について詳しく解説します。

譲渡承諾料の相場と交渉のポイント

借地権を売却する際、地主に対して「譲渡承諾料」を支払うのが一般的です。これは、借地権の譲渡を地主が承諾する対価として支払われるもので、借地借家法に基づき地主が承諾しない場合でも、裁判所の許可を得て売却できる制度が存在します。
しかし、まずは地主との円滑な交渉を目指すことが重要です。
 
譲渡承諾料の相場は、地域や借地契約の内容、地主との関係性によって変動しますが、一般的には借地権価格(更地価格から底地価格を引いた額)の10%程度、あるいは更地価格の5%~15%程度が目安とされています。ただし、これはあくまで目安であり、地主との交渉によって決まります。
 
交渉を有利に進めるためには、以下のポイントを意識しましょう。
  • 地主との良好な関係構築: 日頃から地代の支払いを滞りなく行い、円滑なコミュニケーションを心がけておくことが重要です。
  • 専門家の介入: 借地権売却に詳しい不動産会社や弁護士に相談し、交渉の代理を依頼することも有効です。専門家が間に入ることで、客観的な相場に基づいた交渉が期待できます。
  • 書面での合意形成: 交渉で合意に至った内容は、後々のトラブルを防ぐためにも必ず書面に残し、地主と取り交わしましょう。
  • 代替案の提示: 地主が譲渡を渋る場合、地主が底地を買い取る、あるいは共同で売却するなどの代替案を提示することで、話が進展する可能性もあります。

売却活動を始める前の準備事項

借地権マンションの売却は、通常のマンション売却よりも事前の準備が重要です。
これらの準備を怠ると、売却活動が滞ったり、予期せぬトラブルに発展する可能性があります。
  • 地主への事前相談と承諾確認: 売却活動を開始する前に、必ず地主に対して売却の意向を伝え、譲渡の承諾が得られるかを確認しましょう。地主の承諾なしには売却を進めることができません。
  • 借地契約書の内容確認: 借地契約書は、借地権の権利関係を定める最も重要な書類です。契約期間、地代、更新料、譲渡に関する特約事項、増改築の制限など、詳細な内容を再確認してください。不明な点があれば、専門家に相談しましょう。
  • 必要書類の整理: 借地契約書以外にも、地代の領収書、固定資産税評価証明書、マンションの管理規約、重要事項説明書など、売却に必要な書類を早めに整理しておきましょう。
  • 専門家への相談: 借地権売却は専門性が高いため、借地権の取り扱いに慣れた不動産会社や弁護士に事前に相談することをお勧めします。彼らの知見は、売却戦略の立案やトラブル回避に役立ちます。

売却が困難な場合の対処法

地主の承諾が得られない、買主が見つかりにくいなど、借地権マンションの売却が困難に直面するケースも少なくありません。
そのような場合の対処法をいくつかご紹介します。
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対処法 概要 メリット 注意点
地主への買い取り打診 地主が底地権と借地権を合わせて所有することで完全な所有権となるため、地主自身が買い取る選択肢を打診します。 売却先を探す手間が省け、交渉がスムーズに進む可能性がある。 地主が買い取りに応じない場合がある。買取価格が市場価格より安くなる可能性も。
底地権と同時に売却 地主と協力し、借地権と底地権(土地の所有権)を合わせて第三者に売却します。これにより、買主は完全な所有権を取得できます。 完全な所有権として売却できるため、買主が見つかりやすく、高値での売却が期待できる。 地主との協力が必要不可欠。売却価格の配分について交渉が必要。
借地権専門の買取業者に相談 借地権の買取を専門とする業者に直接売却します。 迅速な現金化が可能。地主との交渉や売却活動の手間が省ける。 市場価格よりも買取価格が低くなる傾向がある。
裁判所への売却許可申立て 地主が正当な理由なく借地権の譲渡を承諾しない場合、借地借家法に基づき、裁判所に売却許可を申し立てることができます。 地主の承諾が得られなくても売却が可能になる。 時間と費用がかかる。法的な手続きが必要となるため、弁護士の協力が不可欠。

スムーズな売却を実現するための完全ガイド

スムーズな売却を実現するための完全ガイド
借地権マンションの売却は、所有権マンションに比べて複雑なプロセスを伴いますが、適切な知識と戦略があればスムーズに進めることが可能です。
ここでは、売却を成功させるための具体的なステップと、有利に進めるためのポイントを解説します。

借地権マンション売却に強い不動産会社の選び方

借地権マンションの売却では、借地権物件の取り扱いに慣れた不動産会社を選ぶことが何よりも重要です。
一般的な不動産会社では、借地権に関する専門知識や地主との交渉経験が不足している場合があります。
以下の点を基準に、信頼できるパートナーを見つけましょう。
  • 借地権物件の取引実績: 過去に借地権マンションの売却実績が多数あるかを確認しましょう。具体的な事例を尋ねてみるのも良い方法です。
  • 専門知識を持つ担当者: 借地借家法や関連法規に精通し、複雑な権利関係を理解している担当者を選ぶことが不可欠です。
  • 地主との交渉経験: 地主との承諾交渉は売却の鍵を握ります。円滑な交渉実績がある会社は大きな強みとなります。
  • 査定額の根拠の明確さ: 借地権の評価は専門性が高いため、査定額の算出根拠を詳細に説明してくれる会社を選びましょう。
複数の不動産会社に査定を依頼し、比較検討することで、より適切なパートナーを見つけることができます。

売却手続きの全ステップを時系列で解説

借地権マンションの売却は、所有権マンションと異なる手続きが含まれます。
以下のステップを理解し、計画的に進めましょう。
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ステップ 内容 ポイント
1. 相談・査定依頼 借地権に強い不動産会社に相談し、物件の査定を依頼します。 複数の会社に依頼し、査定額とサービス内容を比較検討します。
2. 媒介契約の締結 売却を依頼する不動産会社と媒介契約(専任媒介、一般媒介など)を結びます。 契約内容をよく確認し、疑問点は解消しておきましょう。
3. 地主への譲渡承諾申請 売却活動を開始する前に、地主に対して借地権の譲渡承諾を申請します。これは最も重要なステップの一つです。 不動産会社を通じて、地主との交渉を進めます。承諾料の交渉もここで行われます。
4. 売却活動の開始 不動産会社が広告活動を行い、買主を募集します。内覧対応なども行います。 物件の魅力を最大限にアピールできるよう、準備を整えましょう。
5. 買主の決定・売買契約 購入希望者が見つかり、条件交渉がまとまれば、買主と売買契約を締結します。 契約内容、特に地主の承諾に関する条項を慎重に確認します。
6. 譲渡承諾料の支払い 地主から譲渡承諾が得られた後、合意した承諾料を地主に支払います。 支払いのタイミングや方法を確認しておきます。
7. 決済・引き渡し 買主から売買代金を受け取り、同時に物件を引き渡します。 司法書士を通じて、所有権移転登記(建物部分)や借地権の変更登記などを行います。
地主の承諾が得られない場合や、交渉が難航するケースも想定されるため、早めに準備を進めることが肝心です。

売却を有利に進めるためのアピールポイント

借地権マンションの売却では、デメリットを上回るメリットを提示することで、買主の購入意欲を高めることができます。
以下の点を積極的にアピールしましょう。
  • 立地や周辺環境の良さ: 駅からの距離、商業施設や公共施設の充実度など、物件固有の魅力を具体的に伝えます。
  • 管理体制の良さ: マンション全体の管理が行き届いていること、修繕積立金が十分に確保されていることなどは、買主にとって安心材料となります。
  • 室内リフォーム状況: 築年数が経過していても、水回りや内装が綺麗にリフォームされている場合は、大きなアピールポイントです。
  • 地主との関係性: 売主が地主と良好な関係を築いている場合、その事実を伝えることで、買主の将来的な不安を軽減できる可能性があります。
  • 借地権の残存期間の長さ: 借地権の期間が長く残っているほど、買主は長期的な居住を計画しやすくなります。
  • 固定資産税・都市計画税の負担がない点: 土地部分の所有権がないため、買主は土地にかかる固定資産税や都市計画税を支払う必要がありません。これは所有権マンションにはない明確な経済的メリットとして強調できます。
これらのアピールポイントを明確にし、適切な情報提供を行うことで、借地権マンションの価値を最大限に引き出し、スムーズな売却へと繋げましょう。

まとめ

借地権マンションの売却相場のまとめ
借地権マンションの売却は、所有権マンションとは異なる独自の特性と複雑なプロセスを伴います。売却相場が所有権マンションより安くなる傾向にあるのは、地代の支払い義務、地主の承諾が必須である点、住宅ローンの利用が困難なケースがあること、建て替えやリフォームの制限、そして将来の契約更新に対する不確実性といった、借地権特有の制約が主な理由です。
 
特に、地主への譲渡承諾料の交渉や、買主が住宅ローンを組めるかどうかの問題は、売却の成否を大きく左右する重要なポイントとなります。これらのデメリットや注意点を事前に深く理解し、適切な対策を講じることが、スムーズな売却を実現するための鍵となります。
 
有利な条件で売却を成功させるためには、借地権マンションの取り扱いに精通した不動産会社を選び、売却活動を始める前の準備を徹底することが何よりも重要です。専門知識を持つパートナーと共に、地主との交渉や法的な手続きを進めることで、安心して売却活動を進め、次のステップへと繋げることができるでしょう。
 
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