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- 定期借地権マンションが売れない問題を完全解決!不動産のプロが教える売却のコツ
「所有する定期借地権マンションがなかなか売れない…」「これから売却したいけれど、売れないという噂を聞いて不安…」そんな悩みを抱えていませんか?
借地権マンションが売れにくいと言われるのには、住宅ローンが通りにくい、地代などのランニングコストがかかる、地主の承諾が必要など明確な理由があります。しかし、売れないということは決してありません。この記事では、不動産のプロが、借地権マンションが売れない本当の理由を徹底解剖し、売却を成功に導くための具体的な秘訣を解説します。
信頼できる不動産会社の選び方から、損をしない売却価格の決め方、買主の不安を解消するアピール術、地主との交渉のコツ、さらには売却以外の「買取」や「賃貸」といった選択肢まで網羅的にご紹介。
最後まで読めば、あなたの状況に合わせた最適な解決策が見つかり、スムーズな売却を実現できるでしょう。
【この記事のまとめ】
- 「借地権マンションは売れない」は誤解。売れない理由は“対策ポイント”
住宅ローンの通りにくさ、地代などのランニングコスト、地主の承諾・心理的ハードル、残存期間(定期借地権は更新なし)などが買主の不安材料になります。逆に言えば、これらを整理して説明できれば売却は十分可能です。 - 成功のカギは「借地権に強い不動産会社+買主の不安解消」
借地権取引の実績がある会社を選び、査定根拠を確認したうえで適正価格を設定。ローン利用可能な金融機関の提示、地代・承諾料・解体積立など費用の見える化、メリデメを正直に説明して信頼を作ることが成約に直結します。 - 売却が長引くなら「買取」や「賃貸」も視野に入れて最適解へ
早期現金化なら不動産会社の買取(価格は下がりやすいが早い・手間少ない)、収益化なら賃貸(原則転貸承諾が必要、空室リスクあり)。仲介に固執せず、状況に合う出口戦略を選ぶのが現実的です。
監修
宅地建物取引士 坂東裕
2013年より不動産業に従事。
2015年に宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナーを取得。
地主交渉のスペシャリスト。借地権にとどまらず、事故物件、収益ビル、倉庫、アパート等、各種不動産売買に精通している。
累積取引数は300件を超える。
趣味は不動産と料理。得意料理はイタリアン。
監修
宅地建物取引士 坂東裕
2013年より不動産業に従事。
2015年に宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナーを取得。
地主交渉のスペシャリスト。借地権にとどまらず、事故物件、収益ビル、倉庫、アパート等、各種不動産売買に精通している。
累積取引数は300件を超える。
趣味は不動産と料理。得意料理はイタリアン。
【結論】借地権マンションが売れないは嘘!正しい手順で売却は可能
「借地権付きのマンションは売れないらしい…」そんな噂を耳にして、ご所有マンションの売却を諦めかけていませんか?インターネットや周囲の声に、不安な気持ちを抱えている方も少なくないでしょう。しかし、結論から申し上げますと、借地権マンションが売れないというのは誤解です。正しい知識を持ち、適切な手順を踏めば、売却は十分に可能です。
確かに、土地と建物を完全に自分のものにできる「所有権マンション」と比べると、借地権マンションの売却にはいくつかの注意点が存在します。この違いを理解しないまま売却活動を進めてしまうと、買い手が見つかりにくくなることがあるため、「売れない」というイメージが広まってしまったのです。まずは、一般的な所有権マンションとの違いを明確に把握することから始めましょう。
| 項目 | 借地権マンション | 所有権マンション |
|---|---|---|
| 土地の権利 | 建物を所有するために土地を借りる権利 | 土地と建物の両方を所有する権利 |
| 購入時の価格 | 土地代が含まれないため、周辺相場より安価な傾向 | 土地代と建物代が必要 |
| ランニングコスト | 管理費・修繕積立金に加え、地代や解体積立金が必要な場合がある | 管理費・修繕積立金 |
| 土地の固定資産税・都市計画税 | 所有者(買主)にはかからない(地主が納税) | 所有者が納税する義務がある |
| 売却・増改築 | 地主の承諾と譲渡承諾料などが必要な場合が多い | 所有者の自由な意思で可能 |
| 住宅ローン | 金融機関の審査が厳しくなる傾向がある | 一般的な審査基準で利用可能 |
| 契約期間満了後 | 【定期借地権の場合】更地にして土地を返還する必要がある | 権利は永続する |
このように、借地権マンションは所有権マンションと異なる特性を持っています。特に、地代などのランニングコストや、住宅ローンの組みにくさ、地主の存在などが、買主にとっての懸念点となりやすいのです。
しかし、これらの点は「売れない理由」ではなく、売却活動において「買主の不安を取り除くべきポイント」と捉えることが重要です。立地が良ければ所有権マンションより安く購入できる、土地の税金がかからないといった買主側のメリットも確実に存在します。 これらのメリットを最大限にアピールしつつ、デメリットを正直に伝え、買主の不安に寄り添う戦略的な売却活動こそが成功の鍵となります。
この記事では、あなたの借地権マンションがなぜ売れなかったのか、その理由を解き明かし、不動産のプロが実践する具体的な売却のコツを余すところなく解説していきます。読み進めることで、漠然とした不安は「売却できる」という確信に変わるはずです。
なぜあなたの借地権マンションは売れないのか?理由を徹底解剖
「好立地なのに、なかなか買い手が見つからない…」借地権マンションの売却活動で、多くの方がこのような悩みに直面します。所有権マンションとは異なる借地権特有の性質が、売れ行きを左右する大きな要因となっているのです。
ここでは、買主が購入をためらう具体的な理由を4つの側面に分け、その背景を詳しく解説します。
住宅ローンが組めない買主が多いという現実
借地権マンションが売れにくい最大の理由の一つが「住宅ローンの壁」です。多くの金融機関が借地権付き建物を担保として評価しにくく、住宅ローンの審査が厳しくなる傾向にあります。 なぜなら、土地はあくまで地主のものであり、金融機関が担保として確保できるのは経年で価値が減少する「建物」部分に限られるからです。
特に、メガバンクをはじめとする多くの銀行は、融資に対して慎重な姿勢を示します。その結果、買主は以下のような状況に陥りがちです。
- 自己資金で大部分を賄うか、全額現金での購入を求められる
- 利用できる金融機関が一部の地方銀行、信用金庫、ノンバンクなどに限定される
- 住宅ローンの返済期間が、借地権の残存期間内に制限される
このように、買主の資金調達の選択肢が狭まることで、購入できる層が大幅に限定されてしまうのです。
フラット35のように、一定の条件を満たせば利用できるローンもありますが、それでも所有権マンションに比べてハードルが高いのが実情です。
地代や名義変更料などランニングコストへの懸念
買主は物件価格だけでなく、購入後にかかる費用、いわゆるランニングコストもシビアに見ています。借地権マンションには、所有権マンションにはない特有の費用が存在し、これが購入の足かせとなることがあります。
所有権マンションにはない「地代」や「譲渡承諾料」といった特有の費用が、買主の資金計画を圧迫するため、敬遠される一因となっています。
具体的には、以下のような費用が挙げられます。
- 地代:土地の賃料として、毎月地主へ支払う費用です。管理費・修繕積立金に上乗せされるため、月々の負担が重くなります。また、経済情勢の変動により将来的に値上がりするリスクも抱えています。
- 譲渡承諾料(名義変更料):売却時に、地主に借地権の譲渡を承諾してもらうために支払う費用です。相場は「借地権価格の10%程度」とされ、高額になるケースも少なくありません。
- 更新料:普通借地権の場合、契約更新時に地主へ支払う費用です。
- 解体準備金:定期借地権の場合、将来の建物解体に備えて毎月積み立てる費用です。
これらの費用は、買主にとって想定外の出費となり、物件の魅力がいくら高くても、最終的に購入を断念する理由になり得ます。
地主の存在が心理的ハードルになる
法的な制約や金銭的な負担に加え、「地主の存在」そのものが買主にとって心理的なハードルとなるケースも多く見られます。借地権マンションでは、自分の資産でありながら、地主の意向に左右される場面が多く、自由度が低いと感じられることが懸念されます。
例えば、以下のような行為には原則として地主の承諾が必要です。
- マンションの売却(借地権の譲渡)
- 大規模なリフォームや増改築
- 建て替え
買主からすれば、「どんな地主かわからない」「将来、地代の値上げや更新拒否などでトラブルになったらどうしよう」「必要な時にスムーズに承諾を得られないのではないか」といった不安がつきまといます。
地主との良好な関係が築けているかどうかが、売却の成否を分ける重要な要素にもなるのです。
借地権の種類と残存期間の問題
一口に借地権といっても、その種類によって売却のしやすさは大きく異なります。
特に「定期借地権」か「普通借地権」か、そして「残存期間」がどれくらい残っているかは、資産価値を決定づける極めて重要な要素です。
定期借地権と普通借地権の違い
借地権は、主に「普通借地権」と「定期借地権」に大別されます。両者の最も大きな違いは「契約の更新が可能かどうか」という点です。
| 種類 | 普通借地権 | 定期借地権(一般定期借地権) |
|---|---|---|
| 契約期間 | 当初30年、1回目の更新で20年、以降10年 | 50年以上 |
| 契約の更新 | 原則として更新可能 | 更新なし |
| 期間満了時 | 地主は正当事由がなければ更新を拒否できず、拒否する場合は建物を買い取ることが多い(建物買取請求権) | 更新なし |
この表からわかるように、特に定期借地権の場合、契約期間の満了と共に土地を更地で返還する必要があり、更新ができないという点が決定的なデメリットとなります。 そのため、買主は永住することができず、住める期間が限られてしまいます。
そして、どちらの借地権であっても、残存期間が短ければ短いほど、買主が見つかりにくく、資産価値も大きく下落します。特に定期借地権では、残存期間が20年を切ると住宅ローンの利用が極端に難しくなり、売却はさらに困難を極めるでしょう。
自分のマンションの借地権の種類と正確な残存期間を把握することは、売却戦略を立てる上での第一歩と言えます。
プロが実践する借地権マンション売却成功の秘訣
借地権マンションの売却は、所有権の物件と比べて専門的な知識と戦略が求められます。「売れない」という声も聞かれますが、それは正しい手順を踏んでいないからかもしれません。
ここでは、不動産のプロが実践している、借地権マンションの売却を成功に導くための4つの秘訣を具体的に解説します。
秘訣1:売却戦略の要は不動産会社選びから
借地権マンションの売却が成功するか否かは、パートナーとなる不動産会社選びで9割決まると言っても過言ではありません。借地権は権利関係が複雑で、地主との交渉や買主への専門的な説明が必要不可欠です。
一般的な不動産売買の知識だけでは対応が難しく、担当者の経験と知識が売却価格や期間に大きく影響します。
借地権取引の実績を確認する方法
信頼できる不動産会社を見極めるためには、以下のポイントを重点的に確認しましょう。
- 公式サイトの確認:「借地権付き物件専門」「借地権・底地の取引実績多数」といった専門性を謳うページがあるか、売却事例に借地権マンションが掲載されているかを確認します。
- 担当者への直接質問:査定面談の際に、「借地権マンションの仲介実績は過去に何件ありますか?」「地主との交渉で難航した事例と、その解決策を教えてください」など、具体的な質問を投げかけ、明確で納得のいく回答が得られるかを見極めます。
- 専門家との連携:借地権に詳しい弁護士や司法書士と提携しているかどうかも、会社の専門性を測る重要な指標となります。
不動産会社にはそれぞれ特徴があります。以下の表を参考に、ご自身の状況に合った会社を選びましょう。
| 不動産会社の種類 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 大手不動産会社 | 広範な販売ネットワークと豊富な顧客情報を持ち、ブランド力による安心感がある。 | 担当者によっては借地権に不慣れな場合があり、画一的な対応になる可能性がある。 |
| 地域密着型不動産会社 | 地域の地主情報に精通している場合があり、柔軟で小回りの利く対応が期待できる。 | 販売網や広告力が大手より限定される場合がある。会社による専門性の差が大きい。 |
| 借地権専門の不動産会社 | 専門知識、地主との交渉ノウハウが豊富で、複雑なトラブルにも対応できる。 | 会社の数が少なく、見つけるのが難しい場合がある。 |
秘訣2:損をしない売却価格の決め方
借地権マンションの売却価格は、同じエリア・築年数の所有権マンションの7〜8割程度が目安とされますが、これはあくまで一般的な指標です。実際の価格は、借地権の残存期間、地代の金額、更新料の有無、地主の意向など、多くの要因によって大きく変動します。適正な価格を見極めるためには、複数の不動産会社に査定を依頼し、その価格の根拠を深く理解することが重要です。
査定価格の根拠を詳しく聞く
提示された査定額の高さだけで不動産会社を選ぶのは危険です。中には、媒介契約欲しさに意図的に高い査定額を提示する会社も存在します。
重要なのは「なぜその価格なのか」という根拠です。以下の点を確認しましょう。
- 価格の算出方法:近隣の所有権マンションの成約事例と比較し、借地権のどのような要素(残存期間、地代など)をどの程度価格に反映させたのか、具体的な計算方法を確認します。
- ランニングコストとの比較:月々の地代や管理費・修繕積立金の合計額が、周辺の賃貸物件の家賃相場と比べて妥当な範囲に収まっているか、客観的な視点での分析を聞きましょう。
- 売出価格の戦略:査定価格を基に、どのような価格で売り出し、どのようなタイミングで価格交渉に応じるかなど、具体的な販売戦略を持っているかを確認します。
秘訣3:買主の不安を解消する物件アピール術
多くの購入希望者にとって、「借地権」という言葉には漠然とした不安がつきまといます。その不安を解消し、物件の魅力を最大限に伝えることが売却成功の鍵となります。
メリットとデメリットを正直に伝える誠実さ
借地権マンションの特性を隠さず、メリットとデメリットの両方を正直に伝えることが、買主との信頼関係を築く第一歩です。デメリットを正直に開示した上で、それを上回るメリットを提示することができれば、買主は安心して購入を検討できます。
| 項目 | メリット(アピールポイント) | デメリット(正直に伝えるべき点) |
|---|---|---|
| 価格・税金 | 同じ立地・広さの所有権マンションより安価に購入できる。土地の固定資産税・都市計画税がかからない。 | 地代、更新料、譲渡承諾料などの費用が発生する。資産価値が所有権より低く評価されがち。 |
| 立地・利用 | 所有権では希少な都心の一等地など、好立地の物件が多い。 | 建物の増改築や売却時に地主の承諾が必要になる場合がある。定期借地権の場合、契約期間満了後は更地にして土地を返還する必要がある。 |
資金計画の相談にも乗れる準備をする
借地権付き物件は、金融機関によって担保価値が低く評価され、住宅ローンの審査が厳しくなる傾向があります。そのため、購入希望者が資金計画でつまずくケースは少なくありません。
この不安を解消するため、「この物件であれば、これらの金融機関で住宅ローンの利用が可能です」と具体的な道筋を示すことが極めて重要です。
借地権付き物件への融資実績が豊富な金融機関(一部の銀行や信用金庫、フラット35など)を不動産会社にリストアップしてもらい、買主の状況に合わせて紹介できる体制を整えておきましょう。 これにより、買主は安心して購入の最終決断を下すことができます。
秘訣4:地主への事前交渉と根回し
借地権マンションの売却において、地主はキーパーソンです。売却には地主の「譲渡承諾」が必要となり、この承諾なくして契約を進めることはできません。買主が見つかってから慌てて交渉するのではなく、売却活動を始める前に地主へ相談し、良好な関係を築いておくことが、スムーズな売却を実現するための最も重要な根回しとなります。
事前に地主へ伝えるべきことは以下の通りです。
- マンションの売却を検討している旨を丁寧に伝える。
- 譲渡承諾料の金額や支払い時期について確認する。(一般的に譲渡承諾料の相場は、借地権価格の10%程度とされています)
- 地主が安心して承諾できるよう、新しい買主の属性(家族構成や職業など)について、どのような人物を希望するか意向をヒアリングする。
地主との交渉は、借地権取引に慣れた不動産会社の担当者に任せるのが基本です。しかし、売主自身も誠意ある態度で挨拶に伺うなど、良好な関係構築に努めることで、地主の心理的なハードルを下げ、円満な承諾を得やすくなります。
売れないと諦める前に試したい売却以外の選択肢
仲介での売却活動が長期化したり、希望する価格での売却が難しかったりする場合でも、すぐに諦める必要はありません。借地権マンションを手放す方法は、仲介売却だけではないのです。ここでは、売却以外の有力な選択肢として「不動産買取」と「賃貸運用」の2つの戦略を詳しく解説します。
それぞれのメリット・デメリットを正しく理解し、ご自身の状況に最適な方法を見つけましょう。
即現金化できる不動産買取のメリットとデメリット
不動産買取とは、一般の個人を買主として探す「仲介」とは異なり、不動産会社が直接買主となって物件を買い取る方法です。特に、「とにかく早く現金化したい」「手間をかけずに売却を完了させたい」という方にとって、非常に有効な選択肢となります。
しかし、メリットばかりではありません。仲介での売却価格と比較して安くなる傾向があるため、その点を十分に理解した上で検討することが重要です。
不動産買取のメリット・デメリット比較表
| 項目 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 売却スピード | 不動産会社との直接取引のため、決済までが非常に早い(最短で数日~1週間程度)。買主を探す期間が不要。 | - |
| 売却価格 | - | 仲介市場価格の6割~8割程度になるのが一般的。買取業者の再販利益やリフォーム費用が差し引かれるため。 |
| 仲介手数料 | 売主と買主(不動産会社)の直接取引なので、仲介手数料(売買価格の3%+6万円+消費税)が不要。 | - |
| 契約不適合責任 | 売却後の設備の故障や不具合に対する責任(契約不適合責任)が免責されるケースがほとんど。後のトラブルの心配がない。 | - |
| 手間とプライバシー | 内覧対応や広告活動が不要。現状のまま(リフォームや清掃なし)で売却できることが多い。近所に知られずに売却可能。 | 借地権の買取に対応できる専門的な不動産会社を探す必要がある。 |
このように、買取は価格面でのデメリットがある一方、スピードと手間の削減、そして売却後の安心感という大きなメリットを享受できます。「相続したものの遠方で管理できない」「すぐにまとまった現金が必要になった」といった事情を抱える方にとっては、仲介よりも優れた選択となる可能性があります。
まずは、借地権の買取実績が豊富な不動産会社に査定を依頼し、提示された買取価格と仲介での想定売却価格を比較検討することから始めましょう。
賃貸運用でインカムゲインを狙う戦略
「売却するには惜しい」「愛着のあるマンションを手放したくない」という場合は、賃貸に出して家賃収入(インカムゲイン)を得るという選択肢もあります。売却して一度に利益(キャピタルゲイン)を得るのではなく、資産として保有し続けながら継続的な収入源とする戦略です。
ただし、賃貸運用には地主の承諾や空室リスクなど、特有の注意点が存在します。
賃貸運用を開始する前の重要チェックポイント
借地権マンションを賃貸に出すことは「転貸」にあたり、原則として地主の承諾が必須となります。無断で賃貸に出すと契約違反となり、最悪の場合、借地権の契約解除を求められるリスクがあります。必ず事前に地主に相談し、承諾を得てください。その際、「転貸承諾料」として地代の数ヶ月分〜1年分程度の支払いが必要になるのが一般的です。
また、賃貸管理を不動産会社に委託するのか、ご自身で行うのかも決めておく必要があります。
賃貸運用のメリット・デメリット比較表
| 項目 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 収益性 | 入居者がいる限り、毎月安定した家賃収入を得られる。 | 空室期間は収入がゼロになる(空室リスク)。家賃収入から地代、管理費、修繕積立金、固定資産税などの経費を支払う必要がある。 |
| 資産性 | 資産としてマンションを保有し続けられる。将来的に市況が好転したタイミングで売却を再検討できる。 | 建物の老朽化や金利の変動、災害リスクなどを負い続けることになる。 |
| 管理業務 | 信頼できる賃貸管理会社に委託すれば、入居者募集から家賃回収、クレーム対応まで任せることができる。 | 入居者トラブルや家賃滞納のリスクがある。自主管理の場合は大きな手間がかかり、管理会社に委託する場合は管理手数料(家賃の5%程度)が発生する。 |
| 地主との関係 | - | 賃貸に出すこと(転貸)について地主の承諾が必要。承諾料を求められる場合が多い。 |
賃貸運用を成功させる鍵は、正確な収支シミュレーションにあります。想定される家賃収入から、地代、管理費・修繕積立金、固定資産税、賃貸管理委託料、そして転貸承諾料などの初期費用をすべて差し引いて、実質的な利回りがどのくらいになるのかを厳密に計算しましょう。その上で、空室リスクも考慮に入れ、長期的に安定した運用が可能かどうかを判断することが極めて重要です。
地域の賃貸需要に詳しい不動産会社に相談し、現実的な家賃設定や運用計画についてアドバイスをもらうことをお勧めします。
借地権マンション売却でよくある質問
借地権マンションの売却は、所有権のマンションとは異なる特有の疑問や不安がつきものです。ここでは、売主様から特によく寄せられる質問とその回答をまとめました。売却活動を始める前に、疑問点を解消しておきましょう。
Q1.売却にかかる期間はどのくらい?
一般的なマンション売却と同様に、売り出しから決済までにおおよそ3ヶ月から6ヶ月程度かかるのが一つの目安です。しかし、借地権マンションの場合は、これより長くなる可能性があります。
その主な理由は、地主の売却承諾を得るための交渉や手続きに時間がかかるケースがあること、そして買主が限定されやすく、住宅ローンの審査にも時間がかかる傾向があるためです。特に、地主との関係性が良好でない場合や、契約条件の調整が必要な場合は、交渉だけで数ヶ月を要することもあります。
売却をお考えの際は、時間に余裕を持ったスケジュールを組むことが成功の鍵となります。
Q2.地主が売却を承諾してくれない場合は?
借地権(賃借権)のマンションを売却するには、原則として地主の承諾(譲渡承諾)が必要です。もし地主が正当な理由なく承諾してくれない場合でも、諦める必要はありません。いくつかの対処法があります。
まずは、地主がなぜ承諾してくれないのか、その理由を丁寧にヒアリングし、話し合いでの解決を試みることが重要です。譲渡承諾料の金額などで折り合いがつかないケースも少なくありません。
話し合いで解決しない場合の最終手段として、裁判所に地主の承諾に代わる許可を求める「借地非訟(しゃくちひしょう)」という手続きがあります。
この手続きでは、裁判所が諸事情を考慮し、地主に不利になるおそれがないと判断すれば、譲渡を許可する決定を出してくれます。
その際、譲渡承諾料やその他の条件についても裁判所が定めてくれます。ただし、この申立ては買主が決まっていることが前提となるため、まずは借地権取引に詳しい不動産会社や弁護士に相談することをおすすめします。
Q3.更地にして返す必要はある?
「契約が終わったら、建物を壊して更地で返さなければならないのか」という点は、借地権の売却や将来を考える上で非常に重要なポイントです。これは、お持ちの借地権の種類によって結論が大きく異なります。
主に「普通借地権」と「定期借地権」で扱いが異なりますので、以下の表でご確認ください。
| 項目 | 普通借地権 | 定期借地権 |
|---|---|---|
| 契約の更新 | 地主に正当事由がなければ原則更新される | 契約の更新はなく、期間満了で終了する |
| 契約終了時の建物 | 建物買取請求権を行使できる | 原則として、買主が建物を解体・撤去する |
| 更地返還義務 | 建物買取請求権を行使すれば義務はない | 原則として更地にして返還する義務がある |
このように、普通借地権の場合は、契約が更新されなかったとしても「建物買取請求権」を行使し、地主に建物を時価で買い取ってもらうことが可能です。そのため、必ずしも更地にして返す必要はありません。一方、定期借地権は、契約期間の満了時に建物を解体し、更地にして土地を返還するのが原則です。
この違いは売却価格にも大きく影響するため、ご自身のマンションの借地権の種類を正確に把握しておくことが不可欠です。
Q4.譲渡承諾料の相場はいくらくらい?
譲渡承諾料とは、借地権を第三者に売却(譲渡)することを地主に認めてもらうために支払う金銭のことです。法律で定められた義務ではありませんが、長年の慣習として定着しています。
その金額に法的な決まりはありませんが、一般的に譲渡承諾料の相場は、借地権価格の10%程度が目安とされています。 例えば、借地権価格が1,000万円と評価される場合、100万円程度が承諾料の相場となります。
ただし、これはあくまで目安であり、地主との関係性や地域性、過去の慣例によって変動します。売買契約を結ぶ前に、不動産会社を通じて地主と承諾料の額について交渉し、合意しておくことが重要です。
Q5.借地権の更新は必ずできる?
この質問も、借地権の種類によって答えが異なります。「Q3 更地にして返す必要はある?」の表でも触れた通り、借地権には大きく分けて「普通借地権」と「定期借地権」があります。
普通借地権の場合、借地人の権利が強く保護されており、地主が更新を拒絶するためには、地主自身が土地を使用する必要があるなどの「正当事由」が必要です。そのため、地代の滞納など契約違反がない限り、借地人が希望すれば原則として契約は更新されます。
一方、定期借地権は、契約期間を50年以上など長期に設定する代わりに、契約の更新がないことを前提とした制度です。期間が満了すれば借地権は消滅し、土地を地主に返還しなければなりません。この「更新がない」という点が、買主にとって将来の不安要素となり、売却時の価格や難易度に影響を与えます。
Q6.買主は住宅ローンを組めますか?
「買主が住宅ローンを組めないから売れない」という声をよく聞きますが、これは必ずしも正しくありません。結論から言うと、借地権マンションを対象とする住宅ローンは存在し、利用することは可能です。
ただし、所有権のマンションに比べ、取り扱いのある金融機関が限られ、審査が厳しくなる傾向にあるのは事実です。金融機関は融資の際に土地と建物を担保に取りたいと考えますが、借地権の場合は土地が地主のものであるため、担保価値が低いと判断されがちです。
また、ローンを組む際には、地主から抵当権設定の承諾書(通称:ローン承諾書)を得る必要があるなど、手続きが煩雑になることも要因の一つです。
買主の資金計画をスムーズに進めるためにも、借地権付きマンションの住宅ローンに詳しい金融機関や、提携ローンを用意している不動産会社に相談することが、売却成功への近道となります。
まとめ
本記事では、借地権マンションが売れないとされる理由から、具体的な売却成功の秘訣までを解説しました。「借地権マンションは売れない」というのは誤解であり、正しい知識と手順を踏めば売却は十分に可能です。
売却を難しくしている主な理由は、「住宅ローンの審査が厳しい」「地代などの維持費への懸念」「地主の存在」などですが、これらは解決できない問題ではありません。成功の最大の鍵は、借地権付き不動産の取引実績が豊富な不動産会社をパートナーに選ぶことです。
信頼できる不動産会社と共に、適正な価格設定を行い、買主の不安を解消するためにメリット・デメリットを誠実に伝え、地主との交渉を丁寧に進めることが、スムーズな売却へと繋がります。
もし仲介での売却が難しい場合でも、「不動産会社による買取」や「賃貸に出す」といった選択肢も残されています。「売れない」と一人で諦めてしまう前に、まずは専門家である不動産会社に相談し、あなたのマンションに最適な戦略を立てることから始めましょう。
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