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- 借地権とは?わかりやすく解説|種類・相続・売却・トラブル事例を総まとめ
「借地権」という言葉を耳にしたことはあっても、その詳しい内容や仕組みを正確に理解している人は意外と少ないのではないでしょうか。借地権とは、他人の土地を借りて建物を建てられる権利のことで、土地を購入するよりも初期費用を抑えられることから、住宅取得の選択肢として注目されています。しかし、地代の支払いが必要であることや、建て替えや売却に地主の承諾が必要になるなど、所有権とは異なる特有のルールが存在します。
この記事では、借地権の基本的な定義から、普通借地権と定期借地権といった種類の違い、旧借地法と新借地借家法による取り扱いの変化まで、借地権に関する知識を体系的に解説します。また、借地権を持つことのメリット・デメリットを借地人側と地主側の両方の視点から明らかにし、相続時の手続きや借地権付き建物を購入する際に確認すべきポイントについても詳しく説明します。さらに、借地権の価格評価方法や起こりやすいトラブル事例とその対処法も紹介することで、借地権に関する疑問や不安を解消できる内容となっています。
借地権は契約内容や法律の理解が重要であり、知識不足のまま契約すると後々トラブルに発展する可能性があります。この記事を読むことで、借地権の全体像を正しく理解し、借地権付き物件の購入や相続、売却といった場面で適切な判断ができるようになるでしょう。
【この記事のまとめ】
- 借地権の基本と種類を押さえる(旧法/新法も含む)
借地権は「建物の所有を目的に他人の土地を借りる権利」で、地上権(物権)と土地の賃借権(債権)があり、実務では賃借権が一般的です。さらに普通借地権(更新あり)と定期借地権(更新なし:一般/事業用/建物譲渡特約付)に分かれ、平成4年8月1日以前は旧法が適用されるなど、契約時期でルールが変わる点が重要です。 - 相続・購入・売却での注意点(承諾・費用・融資)
借地権は相続財産で、法定相続人への相続は原則として地主の承諾不要ですが、遺贈(第三者への承継)は譲渡扱いとなり承諾が必要になります。借地権付き建物の購入・売却では、名義変更料や譲渡承諾料、建替承諾料などの費用が発生しやすく、住宅ローンの審査も厳しくなりがちです。契約書(地代・更新料・承諾条件・残存期間)を事前に確認し、資金計画と将来の売却可能性まで含めて判断することが大切です。 - よくあるトラブルと回避策(地代・更新・承諾・立退き)
トラブルは地代の値上げや滞納、更新料の請求、売却や建替えの承諾・承諾料、更新拒否や立退き要求、相続時の名義変更料請求などが代表例です。回避の基本は「契約内容の理解」「地主との関係維持」「記録を残す(書面・メール・振込履歴)」「早期に専門家へ相談」で、承諾が得られない場合でも借地非訟など法的手段があるため、感情で進めず手順で対処することが安全です。
監修
宅地建物取引士 坂東裕
2013年より不動産業に従事。
2015年に宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナーを取得。
地主交渉のスペシャリスト。借地権にとどまらず、事故物件、収益ビル、倉庫、アパート等、各種不動産売買に精通している。
累積取引数は300件を超える。
趣味は不動産と料理。得意料理はイタリアン。
監修
宅地建物取引士 坂東裕
2013年より不動産業に従事。
2015年に宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナーを取得。
地主交渉のスペシャリスト。借地権にとどまらず、事故物件、収益ビル、倉庫、アパート等、各種不動産売買に精通している。
累積取引数は300件を超える。
趣味は不動産と料理。得意料理はイタリアン。
借地権とは
借地権とは、建物の所有を目的として、他人の土地を借りる権利のことです。単に土地を借りるだけでなく、その土地の上に自己所有の建物を建てることを目的とした権利である点が重要なポイントとなります。
そのため、資材置き場や青空駐車場など、建物の所有を伴わない利用の場合は、借地権には該当しません。借地権は借地借家法において「建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権」として定義されています。
借地権は、土地を借りる側を「借地権者」または「借地人」と呼び、土地を貸す側を「借地権設定者」または「地主」と呼びます。借地権者は、地主に対して対価として地代を毎月支払うことになります。
借地権の定義
借地権は、借地借家法第2条第1号において「建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権をいう」と法律で明確に定義されています。
この定義から分かるように、借地権が成立するためには以下の要件が必要です。
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| 建物所有の目的 | 建物を建てて所有することが目的であること。駐車場や資材置き場など建物を伴わない利用は含まれません。 |
| 他人の土地 | 自己が所有権を持たない土地であること。他人の土地を借りる必要があります。 |
| 地上権または賃借権 | 土地の利用権として、地上権または賃借権のいずれかの形態をとること。 |
借地権には、借地借家法に基づく借地権と民法上の借地権の2つがあります。前者は建物の所有を目的とするもので、後者は建物所有を目的としない土地の賃貸借(月極駐車場や資材置き場など)を指します。一般的に「借地権」といえば、借地借家法に基づく借地権を指すことがほとんどです。
借地権は、平成4年8月1日に施行された借地借家法(新法)によって大きく制度が変わりました。それ以前の契約には旧借地法(旧法)が適用され、現在でも旧法に基づく借地権が数多く存在しています。
地上権と土地の賃借権
借地権には「地上権」と「土地の賃借権」という2つの法的性質があります。同じ借地権であっても、両者の性質は大きく異なるため、どちらの形態で契約されているかを確認することが重要です。
現在の借地契約のほとんどは、地主の承諾が必要な「土地の賃借権」とされています。この「承諾の必要性」が、後の様々な制約やトラブルの元となることもあります。
地上権とは
地上権とは、物権と呼ばれる非常に強い権利で、民法第265条に規定されています。地上権者は、他人の土地において工作物または竹木を所有するため、その土地を使用する権利を有します。
地上権の最大の特徴は、地主の承諾なしで自由に譲渡や転貸ができるという点です。また、地上権者は地主に対して登記を請求でき、第三者に対して強い対抗力を持ちます。
| 項目 | 地上権の特徴 |
|---|---|
| 権利の性質 | 物権(非常に強い権利) |
| 譲渡・転貸 | 地主の承諾不要で自由に可能 |
| 登記 | 地主に対して登記請求権がある |
| 建て替え | 地主の承諾不要で自由に可能 |
| 対抗力 | 第三者に対して強い対抗力を持つ |
地上権は権利が非常に強く、土地所有者にとって不利な部分が多すぎるとされています。そのため、日本国内においては地上権が設定されることは稀で、実際には土地の賃借権が採用されることがほとんどです。
土地の賃借権とは
土地の賃借権とは、債権として位置づけられる借地権で、実務上最も多く利用されている形態です。賃借権では、地主の承諾を得た上で、第三者への譲渡や賃貸を行える権利となります。
賃借権の特徴は、建物の売却や改築、建て替えなどを行う際には地主の承諾が必要となる点です。この承諾を得る際には、一般的に承諾料が発生します。
| 項目 | 土地の賃借権の特徴 |
|---|---|
| 権利の性質 | 債権(地上権よりは弱い権利) |
| 譲渡・転貸 | 地主の承諾が必要(承諾料が発生することが多い) |
| 登記 | 地主の協力が必要 |
| 建て替え | 地主の承諾が必要(承諾料が発生することが多い) |
| 対抗力 | 建物登記により対抗要件を備える |
賃借権は地上権に比べて借地人の自由度は低くなりますが、地主にとっては自身の土地の管理がしやすく、トラブルを防ぎやすいというメリットがあります。そのため、現在の日本では土地の賃借権が一般的に採用されています。
借地権が発生する条件
借地権が発生するためには、いくつかの条件を満たす必要があります。これらの条件を理解することで、自身が所有する権利が借地権に該当するのかどうかを正しく判断できます。
借地権が成立するための主な条件は以下の通りです。
| 条件 | 詳細 |
|---|---|
| 建物所有を目的とすること | 土地の上に建物を建てて所有することを目的としていることが必要です。駐車場、資材置き場、農地などの利用は借地権には該当しません。 |
| 他人の土地であること | 自己が所有権を持たない土地を借りる必要があります。親族間でも、土地の所有者と利用者が異なれば借地権が成立します。 |
| 対価の支払い | 一般的には地代として毎月または年単位で対価を支払います。ただし、使用貸借(無償の貸借)の場合は借地権には該当しません。 |
| 契約の存在 | 地主と借地人の間で、土地の賃貸借契約または地上権設定契約が締結されていることが必要です。 |
| 一定期間の利用 | 臨時的・一時的な利用ではなく、一定期間継続して土地を利用することが前提となります。 |
これらの条件を満たすことで、借地権が発生し、借地借家法による保護を受けることができます。特に「建物所有を目的とすること」は借地権の最も重要な要件であり、この要件を欠くと借地借家法の適用を受けられず、単なる民法上の賃貸借となります。
また、借地権は書面による契約がなくても、実際に建物が建てられて地代の支払いが行われていれば成立します。ただし、トラブル防止のためには、契約内容を書面で明確にしておくことが強く推奨されます。
借地権と賃借権の違い
「借地権」と「賃借権」という言葉はよく混同されますが、厳密には意味が異なります。この違いを理解することで、不動産取引や契約において正確な判断ができるようになります。
借地権とは、建物の所有を目的とした土地の利用権であり、借地借家法の適用を受けます。一方、賃借権とは、より広い概念で、物を借りる権利全般を指します。土地だけでなく、建物や動産なども含まれます。
| 項目 | 借地権 | 賃借権(一般) |
|---|---|---|
| 対象 | 建物所有を目的とした土地の利用権 | 土地、建物、動産など物を借りる権利全般 |
| 適用法律 | 借地借家法 | 民法(借地借家法が適用される場合もある) |
| 目的 | 建物の所有に限定 | 様々な目的(駐車場、倉庫、居住など) |
| 権利の保護 | 借地人が強く保護される | 契約内容に依存(一般的には借地権より弱い) |
| 更新 | 正当事由がない限り更新可能(普通借地権の場合) | 契約内容による |
| 対抗要件 | 建物登記により対抗力を持つ | 土地の場合は登記、建物の場合は引渡しなど |
例えば、月極駐車場として土地を借りる場合は「賃借権」ですが「借地権」ではありません。なぜなら、建物の所有を目的としていないからです。この場合、借地借家法ではなく民法の賃貸借の規定が適用されます。
一方、土地の上に住宅を建てて所有する場合は「借地権」であり、同時に「土地の賃借権」でもあります。この場合は借地借家法が適用され、借地人は強い保護を受けることができます。
また、借地権の中には「地上権」という形態もありますが、これは賃借権とは異なり物権に分類されます。したがって、借地権には「地上権」と「土地の賃借権」の2種類があり、後者が賃借権の一種ということになります。
このように、借地権は賃借権の特別な形態として位置づけられており、建物所有という目的に限定されることで、より強い法的保護を受けることができる仕組みとなっています。
借地権の種類
借地権には大きく分けて「普通借地権」と「定期借地権」の2種類があります。どちらも土地を借りて建物を建てる権利ですが、契約期間や更新の可否など、重要な違いがあります。物件購入や相続の際には、どちらの借地権が設定されているのか、必ず確認しましょう。
普通借地権
普通借地権は契約更新が可能な借地権で、更新の手続きをすれば借主は永久的に土地を使える可能性があります。借地人の権利が強く保護されており、地主に正当な理由がない限り更新を拒否することができません。
普通借地権の特徴
普通借地権では、正当な事由がない限り、地主側から契約を解除することは非常に困難です。仮に契約を解除できたとしても、借主は地主に建物を時価で買い取ってもらう「建物買取請求権」を行使できるため、借地人にとって非常に有利な借地権といえます。
また、契約方式については、必ずしも契約を書面でする必要はありません。口頭での契約も法的に認められていますが、後々のトラブルを避けるためには書面での契約が望ましいでしょう。
契約期間と更新
現行の借地借家法(新法)では、普通借地権の当初の契約期間は建物の構造に関係なく一律30年と定められています。契約の更新は、1回目が20年、2回目以降は10年ごととなります。
平成4年8月以前の旧借地法が適用される場合は、建物が堅固建物(鉄筋コンクリート造など)であれば60年、非堅固建物(木造など)であれば30年の契約期間となります。
| 区分 | 当初契約期間 | 1回目更新 | 2回目以降更新 |
|---|---|---|---|
| 新法(借地借家法) | 30年 | 20年 | 10年 |
| 旧法(堅固建物) | 60年 | 30年 | 30年 |
| 旧法(非堅固建物) | 30年 | 20年 | 20年 |
定期借地権
定期借地権は契約更新がなく、契約期間満了時に土地を更地にして返還しなければならない借地権のことです。平成4年8月の借地借家法制定によって新しく生まれた借地権です。
定期借地権は原則として契約の更新ができず、期間満了時には建物を撤去して更地で返還する必要があります。普通借地権と比べて借地権者の権利は弱くなりますが、契約期間や条件が明確なため、地主にとっては土地を有効活用しやすいという特徴があります。
定期借地権は、①一般定期借地権、②事業用定期借地権、③建物譲渡特約付借地権の3種類に分類されます。
一般定期借地権
一般定期借地権は存続期間を50年以上として借地権を設定する場合で、契約の更新、建物再築による期間の延長がなく、期間満了による建物の買取請求をしないという3つの特約を公正証書などの書面で契約することで成立します。
用途に制限はなく、住宅や店舗など、様々な目的で利用できます。契約期間が満了すると、建物を解体して更地にして土地を返還する必要があります。分譲マンションなどで多く採用されている借地権の形態です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 契約期間 | 50年以上 |
| 用途 | 制限なし(住宅・店舗等) |
| 契約方式 | 公正証書等の書面 |
| 契約更新 | 不可 |
| 建物買取請求権 | 行使不可とする特約が可能 |
事業用定期借地権
事業用定期借地権とは、専ら事業の用に供する建物の所有を目的とする借地権で、存続期間を10年以上50年未満として借地権を設定します。一部でも居住用となっている場合には、事業用定期借地権には該当しません。
店舗、事務所、倉庫など、事業用途に特化した借地権で、コンビニエンスストアやロードサイド店舗などで活用されるケースが多くみられます。
存続期間を30年以上50年未満と定めた場合には、一般定期借地権の場合と同じく、契約の更新、建物の築造による存続期間の延長がなく、建物買取請求権を行使しない旨を定めることができます。これに対して、存続期間を10年以上30年未満と定めた場合には、借地借家法上で定められている契約の更新、建物の再築による存続期間の延長、建物買取請求権に関する規定等が適用されないことになります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 契約期間 | 10年以上50年未満 |
| 用途 | 事業用のみ(居住用不可) |
| 契約方式 | 公正証書 |
| 契約更新 | 不可 |
| 主な活用例 | コンビニ、飲食店、事務所等 |
建物譲渡特約付借地権
建物譲渡特約付借地権は、契約時に定めた期間経過後に地主が建物を買い取る特約が付いた借地権です。契約期間は30年以上とされています。
定期借地権の中で唯一、建物が残る形態で、期間満了時に建物を解体する必要がありません。地主が建物を買い取るため、借地権者は建物の解体費用を負担せずに契約を終了できるという特徴があります。
建物の買取価格は契約時にあらかじめ定めておくのが一般的で、地主にとっては将来的に建物付きで土地を取り戻せるメリットがあります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 契約期間 | 30年以上 |
| 用途 | 制限なし |
| 期間満了時 | 地主が建物を買い取る |
| 契約更新 | 不可 |
| 建物の扱い | 解体不要(地主に譲渡) |
定期借地権は種類によって条件が大きく異なるため、購入や契約の際には必ず借地権の種類を確認し、将来的な土地の利用計画に合わせて選択することが重要です。
旧法と新法の違い
借地権に関する法律は、平成4年8月1日を境に大きく変わりました。この日以前に締結された借地契約には「借地法(旧法)」が適用され、この日以降に締結された契約には「借地借家法(新法)」が適用されます。
旧法で契約した借地権は、更新を重ねても旧法が適用され続けるため、現在でも多くの旧法借地権が存在しています。旧法と新法では契約期間や更新のルール、借地人の保護の程度などが異なるため、自分の借地権がどちらに該当するかを把握しておくことが重要です。
借地法(旧法)の概要
借地法は大正10年(1921年)に制定され、昭和16年(1941年)の改正で「正当事由制度」と「法定更新制度」が追加されました。この改正により、借地人の立場が非常に強く保護される仕組みとなりました。
旧法借地権の契約期間は、非堅固な建物(木造など)は20年、堅固な建物(鉄筋コンクリート造など)は30年とされ、これより短い期間を定めた場合や契約期間の定めがない場合は、非堅固な建物は30年、堅固な建物は60年とされています。
更新期間については、非堅固な建物は20年、堅固な建物は30年とされており、当事者間の合意があればこの期間より長く設定することも可能です。
旧法の最大の特徴は、借地人が更新を希望する限り、地主に正当な事由がない限り契約の更新拒否ができない点です。このため「一度貸したら返ってこない」とまで言われるほど、借地人に有利な制度でした。
| 建物の種類 | 当初の契約期間 | 期間の定めがない場合 | 更新後の期間 |
|---|---|---|---|
| 非堅固建物(木造など) | 20年 | 30年 | 20年 |
| 堅固建物(鉄筋コンクリート造など) | 30年 | 60年 | 30年 |
借地借家法(新法)の概要
借地借家法は平成3年10月に公布され、平成4年8月に施行されました。この法改正の背景には、旧法があまりにも借地人を保護しすぎたため、地主が土地を貸さなくなり、土地の有効利用が阻害されていたという問題がありました。
新法では、建物の非堅固・堅固に関わらず契約期間は一律30年(契約期間の定めがないものも含む)とされました。ただし、当事者間の合意があれば、この期間より長く設定することも可能です。
更新する場合の期間は第1回目の更新は20年、それ以降の更新に関しては10年間とされています。これも当事者間の合意があれば、より長く設定することができます。
新法の大きな特徴は、更新のない「定期借地権」が新設されたことです。定期借地権の創設により、貸した土地が必ず戻り、期間満了時の立退料も必要なくなり、地主が安心して土地を貸すことができるようになりました。
定期借地権には「一般定期借地権」「事業用定期借地権」「建物譲渡特約付借地権」の3種類があり、それぞれ契約期間や用途が異なります。
| 借地権の種類 | 当初の契約期間 | 1回目の更新 | 2回目以降の更新 |
|---|---|---|---|
| 普通借地権 | 30年 | 20年 | 10年 |
| 一般定期借地権 | 50年以上 | 更新なし | |
| 事業用定期借地権 | 10年以上50年未満 | 更新なし | |
| 建物譲渡特約付借地権 | 30年以上 | 更新なし(建物は地主に譲渡) | |
旧法借地権と新法借地権の主な相違点
旧法と新法の主な違いを整理すると、以下のようになります。
| 比較項目 | 旧法(借地法) | 新法(借地借家法) |
|---|---|---|
| 適用される契約 | 平成4年7月31日以前に締結 | 平成4年8月1日以降に締結 |
| 契約期間の基準 | 建物の構造(堅固・非堅固)で異なる | 建物の構造に関わらず一律 |
| 当初の契約期間 | 非堅固20年/堅固30年 | 更新なし(建物は地主に譲渡) |
| 建物譲渡特約付借地権 | 30年以上 | 1回目20年/2回目以降10年 |
| 定期借地権 | なし | あり(3種類) |
| 更新拒絶 | 地主に正当事由が必要 | 普通借地権は地主に正当事由が必要/定期借地権は更新なし |
| 建物買取請求権 | あり | 普通借地権にはあり/定期借地権にはなし |
| 建物朽廃時の取扱い | 借地権が消滅 | 借地権は存続 |
重要なポイントは、旧法で契約した借地権は更新を重ねても旧法が適用され続けるという点です。平成4年7月31日以前に締結された借地契約については、依然として旧借地法が適用されます。
つまり、平成4年7月31日以前より締結された借地権については、仮に「更新契約」を締結しても、旧法の「借地法」が適用されます。このため、現在でも多くの旧法借地権が存在し続けています。
新法の施行から30年以上が経過した現在、旧法と新法が混在している状況ですが、契約書や登記簿で契約日を確認することで、どちらが適用されるかを判断できます。借地権付き物件を購入する際や相続する際は、必ずどちらの法律が適用されているかを確認しましょう。
また、旧法で継続している借地契約の途中から新法適用に切り替えをすることは原則としてできません。切り替えを行うには現在の契約を一旦合意解除し、新たな契約を締結する必要がありますが、この場合でも実質的には過去の契約の継続とみなされ無効と判断される可能性があります。
借地権のメリット
借地権には、借地人側と地主側のそれぞれにメリットがあります。借地権付き物件の購入や、土地の貸し出しを検討する際は、両者の立場からメリットを理解しておくことが重要です。
借地人側のメリット
借地人にとって最も大きなメリットは、土地購入費用が不要なため初期費用を大幅に抑えられる点です。通常の6~8割程度の費用で同じような立地の物件を取得できます。
また、土地にかかる固定資産税や都市計画税の負担がないことも大きな魅力です。これらの税金は土地所有者である地主が負担するため、借地人は建物部分の税金のみを負担すればよくなります。
さらに、借地借家法によって借地人の権利が強く保護されているため、地主に正当な理由がない限り半永久的に土地を利用できます。特に旧借地権や普通借地権の場合、現状維持をし地代を支払い続ける限り、長期にわたって安定した住環境を確保できます。
都心部など地価が高いエリアでは、土地代を抑えられることで、より好立地の物件を手に入れやすくなるのも見逃せないポイントです。
| メリット項目 | 内容 |
|---|---|
| 初期費用の軽減 | 土地購入費用が不要で、通常の6~8割程度の費用で取得可能 |
| 税負担の軽減 | 土地の固定資産税・都市計画税は地主負担、建物のみ課税 |
| 長期利用 | 旧借地権・普通借地権は地主の正当事由なく半永久的に利用可能 |
| 好立地の確保 | 地価の高いエリアでも手が届きやすい |
地主側のメリット
地主側のメリットとしては、自分の土地を貸すだけで毎月安定した地代収入が得られることが挙げられます。地代の相場は土地保有コスト(固定資産税・都市計画税)の2~3倍程度で、都市部の好立地では4倍近くになることもあります。
また、契約更新時には更新料を得ることもでき、長期的に安定した収入源となります。建物を管理する手間がなく、リスクの少ない土地活用方法として有効です。
税制面でも、借地権が設定された土地は固定資産税や相続税が軽減されるメリットがあります。居住用建物の敷地となっている場合、固定資産税の課税標準が6分の1(200平米以下の部分)または3分の1(200平米超の部分)に軽減されます。
相続税評価額についても、借地権割合に応じて底地部分の評価が下がります。例えば借地権割合が70%のエリアでは、底地の評価は30%となり、相続税負担を大幅に軽減できます。
| メリット項目 | 内容 |
|---|---|
| 安定した収入 | 地代収入(固定資産税等の2~3倍)と更新料を定期的に取得 |
| 管理負担なし | 建物管理は借地人が行うため、地主の手間やコストが不要 |
| 固定資産税軽減 | 居住用建物敷地は課税標準が6分の1または3分の1に軽減 |
| 相続税対策 | 借地権割合に応じて底地評価が下がり相続税負担を軽減 |
このように、借地権は借地人と地主の双方にメリットをもたらす仕組みとなっています。ただし、それぞれの立場で注意すべき点もありますので、契約前に十分な検討が必要です。
借地権のデメリット
借地権付き物件には魅力的なメリットがある一方で、購入前に必ず理解しておくべきいくつかのデメリットも存在します。
土地を所有しないという特性から生じる制約や、経済的な負担について正しく把握することが重要です。
ここでは、借地人側と地主側それぞれの立場から見たデメリットを詳しく解説します。
借地人側のデメリット
借地権付き物件を購入する借地人には、以下のようなデメリットがあります。
継続的な地代の支払い義務
借地権を利用する場合、毎月、地主に地代を支払う必要があります。建物のローンがある場合、地代と合わせてそれも支払いが必要になるため、月々の負担が大きくなります。
確かにマイホーム購入時の初期費用は抑えられますが、長期間借り続けるとトータルで見たときに時価を上回る地代を負担することになるかもしれません。借地権付き物件の購入に際しては、ランニングコストを長期的な視点で考える必要があるでしょう。
また、地価が上昇したなど地主側に正当な理由があるときには、更新時に地代が上がる可能性があることもデメリットのひとつです。
更新料の負担
借地権は契約期間が定められていますが、旧法の借地権や現法の普通借地権では地主に正当な理由がない限り自動更新されます。その際、借地人は地主から更新料の支払いを求められるのが一般的です。
借地権の更新時には更新料が発生する可能性があります。借地権の更新料を支払う法的義務はありませんが、地主との契約内容などによっては、更新料を負担するケースがあります。
更新料の金額は地域や契約内容によって異なりますが、まとまった金額になることも少なくありません。
建物の売却・増改築に地主の承諾が必要
住宅ローンの審査が厳しい
借地権は毎月地代が発生します。固定資産税等を負担する必要がないとはいえ、自分のものではない土地にお金を払い続けることに抵抗を感じる場合はこの点がデメリットに感じられることでしょう。
さらに、借地権付き建物は土地の部分が所有権ではなく借地権になります。そのため、所有権の場合とは異なったデメリットが生じます。不動産の購入にあたっては多くの方が金融機関から融資を受けることになります。その場合購入する土地や建物を担保にして融資を受けるのですが、借地権は担保的価値が小さく、思うように融資を受けられないこともあり得ます。
他人の土地の上に建物を建てているため、所有権の場合と比べると銀行の担保評価が低くなりがちです。金融機関によっては借地権付き物件への融資を行っていないこともあるため、購入前に複数の金融機関に確認することが重要です。
売却時に買い手が見つかりにくい
借地権の土地の物件は、所有権の土地の物件に比べ、好条件が揃っていても買い手を探すことが困難です。
借地権付き物件には流動性が低いというデメリットも存在します。前述の通り融資難易度が高いため、物件を売却しようにも買い手が付きづらくなることがあるのです。また、後述の通り売買の際に地主の承諾が必要になることも、流動性を低くする可能性があります。
将来的に物件を売却する可能性がある場合は、この点も考慮に入れる必要があります。
土地が資産にならない
借地権の場合、土地は所有せずに借りているだけであるため、借地人の資産にはなりません。長期にわたって地代を支払っても、所有権は地主のままです。
いくら地代を支払い続けても、土地は自分の資産とはならないという点は、資産形成の観点から見ると大きなデメリットといえるでしょう。
| デメリット項目 | 内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 継続的な地代 | 毎月の地代支払いが必要 | 長期的にはトータルコストが高くなる可能性 |
| 更新料 | 契約更新時に支払いを求められることが多い | まとまった金額になることも |
| 売却・増改築の制約 | 地主の承諾が必要 | 承諾料が発生する場合がある |
| 住宅ローン審査 | 担保評価が低く融資が難しい | 金融機関によっては融資不可の場合も |
| 売却時の流動性 | 買い手が見つかりにくい | 売却に時間がかかる可能性 |
| 資産価値 | 土地は自分の資産にならない | 地代を払い続けても所有権は得られない |
地主側のデメリット
土地の自由な利用ができない
借地権が設定されている間は、地主は自分の土地であっても自由に利用することができません。借地人が土地を利用している限り、地主が別の用途に転用したり、自ら建物を建てたりすることはできません。
特に旧法借地権や普通借地権では、地主に正当な理由がない限り契約更新を拒否できないため、実質的に土地利用が半永久的に制限されます。
地代収入が限定的
借地権を設定すると地代収入を得られますが、その金額は地主自身が土地に建物を建てて運用する場合と比べて収益性が低くなりがちです。
特に地価が上昇している地域では、土地を有効活用できないことによる機会損失が大きくなる可能性があります。
売却が困難
借地権が設定されている土地(底地)は、自由に利用できないため市場での流動性が非常に低く、売却が困難です。
仮に売却できたとしても、更地の場合と比較して大幅に価格が下がってしまうのが一般的です。
相続税の負担
借地権が設定されていても、地主は底地部分に対する相続税を負担する必要があります。ただし、借地権が設定されているため土地の評価額は下がります。
しかし、収益性が低い割には相続税の負担が残ること、さらに物納の要件が厳しくなったことで、底地での物納が簡単ではないことも地主にとっては課題となっています。
| 立場 | 主なデメリット | 影響 |
|---|---|---|
| 借地人 | 売却・増改築に制約 | 自由度が低い |
| 住宅ローン審査が厳しい | 融資が受けにくい | |
| 土地が資産にならない | 資産形成に不利 | |
| 地主 | 土地の自由な利用ができない | 土地活用の機会損失 |
| 地代収入が限定的 | 収益性が低い | |
| 底地の売却が困難 | 流動性が極めて低い |
借地権付き物件の購入を検討する際は、これらのデメリットを十分に理解したうえで、自身のライフプランや資金計画と照らし合わせて慎重に判断することが重要です。
特に長期的な視点で見た場合の経済的負担や、将来の売却可能性について、事前にしっかりと検討しておくことをお勧めします。
借地権の相続
借地権は相続できるのか
借地権は相続財産に含まれ、現預金や有価証券などと同様に相続の対象となります。法定相続人が借地権を相続する際は、地主の承諾を得る必要はありません。
これは、相続が「売買」や「贈与」といった意思表示に基づく権利の移転ではなく、「包括承継」にあたるためです。相続の場合は、相続が発生したことによって相続人は被相続人の地位をそのまま受け継ぐため、借地権の譲渡がされたとは言えないからです。
一方で、法定相続人以外の第三者に遺言によって借地権を引き継ぐ場合(遺贈)は、譲渡と同じ扱いとなり、地主の承諾が必要になります。地主に承諾を求め、承認された後に譲渡承諾料を支払い所有権を移転させます。
また、亡くなられた方の債務が多い場合などは借地権を相続放棄することもできます。相続放棄すると、借地権だけでなくすべての財産を相続する権利を失うことになりますので、慎重な判断が必要です。
相続時の地主への通知
法定相続人が借地権を相続する場合、地主の承諾を得る必要はありませんが、今後の良好な関係を維持し、トラブルを防止する観点から、地主に対して借地権を相続した旨を通知するのが一般的です。
地主によっては、相続の事実を知らせても名義書換料や承諾料を求めてくる場合がありますが、法定相続人への相続については民法に規定される賃貸人の承諾が不要なわけですから、承諾の対価を支払うべき根拠がありません。したがって、法定相続人への相続の場合は、地主から名義書換料や承諾料の支払いを求められても応じる義務はありません。
ただし、法定相続人以外への遺贈の場合は状況が異なります。遺言状の内容に沿って第三者が借地権の受遺者となる場合は、地主に承諾を求め、承認された後に譲渡承諾料を支払い所有権を移転させます。譲渡承諾料の相場は、一般的に借地権価格の10%程度と言われています。
もしも地主が遺贈(譲渡)を承認しない場合は、家庭裁判所に「借地権譲渡承諾許可の申立て」を行うことで、地主の代わりに借地権譲渡の承諾をしてもらうことも可能です。
| 相続の種類 | 地主の承諾 | 承諾料の支払い |
|---|---|---|
| 法定相続人への相続 | 不要 | 不要 |
| 法定相続人以外への遺贈 | 必要 | 必要(借地権価格の約10%が相場) |
相続税の取り扱い
借地権を相続した場合は相続税が課税されます。借地権は財産的価値を持つ権利であるため、他の相続財産と同様に相続税の課税対象となります。
借地権の相続税評価額は、土地の自用地評価額に借地権割合を掛けて算出されます。借地権割合は地域によって異なり、国税庁が公表している路線価図に記載されています。一般的に都市部では60%~70%程度の借地権割合が設定されていることが多いです。
相続税の申告が必要かどうかは、相続財産の総額が基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超えるかどうかで判断します。借地権の評価額を含めた相続財産の総額が基礎控除額を超える場合は、相続開始から10ヶ月以内に相続税の申告と納税が必要になります。
また、相続した借地権付き建物の固定資産税については、建物部分は借地権者(相続人)が負担しますが、土地部分は地主が負担します。都市計画税についても同様です。
借地権付き建物を購入する際の注意点
借地権付き建物を購入する際は、通常の不動産購入とは異なる点が多く、慎重な検討が必要です。ここでは、購入前に必ず確認すべき重要なポイントを詳しく解説します。
契約内容の確認ポイント
借地権付き建物を購入する際には、契約内容を細かく確認することが非常に重要です。特に以下の項目については、必ず事前にチェックしておきましょう。
| 確認項目 | 確認すべき内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 借地権の種類 | 旧法借地権、普通借地権、定期借地権のいずれか | 定期借地権の場合は契約期間満了後に建物を撤去して返還する必要がある |
| 契約期間と更新の有無 | 残存期間、更新の可否、更新条件 | 残存期間が短い場合は資産価値が大きく低下する |
| 地代の金額 | 月額または年額の地代、支払方法 | 普通借地権の場合、地代の相場は固定資産税・都市計画税の3倍程度 |
| 地代の改定条件 | 値上げの条件、改定の頻度 | 物価や社会情勢の変化、近隣の土地相場の上昇により値上げを求められる可能性がある |
| 更新料 | 契約更新時に必要な更新料の有無と金額 | 更新のタイミングによっては数百万円単位の費用が発生する |
| 建物の建て替え条件 | 建て替え時の地主の承諾の要否、承諾料 | 将来の建て替え計画を立てる際の重要な要素 |
これらの項目について、契約書を十分に読み込み、不明な点は必ず購入前に不動産会社や専門家に確認してください。特に定期借地権の場合は、契約期間満了が近づくにつれて資産価値が急激に下がるため、残存期間を必ず確認しましょう。
地主の承諾と名義変更料
借地権付き建物では、リフォームや売却を行うためには地主の許可を得なければなりません。購入時から将来を見据えて、地主との関係性を確認しておくことが重要です。
売却時の承諾
借地権付き建物を第三者に売却する際には、地主の承諾が必須です。承諾を得られない場合、借地非訟という裁判所への申し立てによる手続きが必要になることもあります。
売却にあたっては「承諾料」の支払いが必要となり、承諾料は借地権価格の1割程度が相場とされています。例えば借地権価格が3,000万円の場合、約300万円の承諾料が発生する可能性があります。
名義変更時の手続き
購入時にも名義変更に関して地主の承諾が必要となり、名義変更料が発生することが一般的です。この費用についても事前に確認し、購入資金計画に組み込んでおきましょう。
| 必要な承諾のタイミング | 必要な手続き | 費用の目安 |
|---|---|---|
| 購入時(名義変更) | 地主の承諾、名義変更契約 | 借地権価格の5~10%程度 |
| 売却時(譲渡) | 地主の承諾、譲渡承諾契約 | 借地権価格の10%程度 |
| 建て替え時 | 地主の承諾、建替承諾契約 | 借地権価格の3~5%程度 |
| 増改築時 | 地主の承諾(規模により不要な場合もある) | ケースバイケース |
地主との関係性が悪いと、これらの承諾を得ることが困難になる場合があります。購入前に、現在の所有者と地主との関係や、過去のトラブルの有無を確認しておくことをお勧めします。
融資を受ける際の注意点
借地権付き建物のデメリットとして、住宅ローンの融資を受けにくいことが挙げられます。これは、土地の所有権がないため担保評価が低くなるためです。
住宅ローン審査の厳しさ
借地権付き建物は、金融機関にとって以下の理由からリスクが高いと判断されます。
- 土地の所有権がないため、担保価値が低い
- 将来的に地主とのトラブルが発生するリスクがある
- 定期借地権の場合、契約期間満了後に建物を撤去する必要がある
- 売却時に買い手が見つかりにくく、換金性が低い
そのため、一般的な所有権付き物件と比較して、以下のような点で審査が厳しくなります。
| 項目 | 所有権付き物件 | 借地権付き物件 |
|---|---|---|
| 融資可能な金融機関 | ほとんどの金融機関で対応可能 | 融資を断る金融機関も多い |
| 融資額(物件価格に対する割合) | 通常80~100% | 50~70%程度に制限されることも |
| 金利 | 低金利での融資が可能 | 通常より高い金利になる場合がある |
| 借入期間 | 最長35年程度 | 契約期間によって制限される場合がある |
融資を受けるための対策
借地権付き建物で住宅ローンを組む際は、以下の対策を検討しましょう。
- 複数の金融機関に相談する:地方銀行や信用金庫など、借地権に理解のある金融機関を探す
- 自己資金を多めに準備する:融資額が制限される可能性があるため、頭金を多めに用意する
- 地主の承諾書を準備する:地主から「抵当権設定承諾書」を取得しておく
- 旧法借地権や普通借地権を選ぶ:定期借地権よりも融資を受けやすい傾向がある
購入を決める前に、必ず複数の金融機関に融資の可否を確認することが重要です。融資を受けられない場合、購入計画そのものが成立しなくなってしまいます。
将来の建て替えや売却について
借地権付き建物を購入する際は、将来的な建て替えや売却についても十分に考慮する必要があります。
建て替えに関する制約
大がかりな施工の場合は、必ず事前に地主の許可を取る必要があります。建て替えを行う際には、以下の点に注意が必要です。
- 地主の承諾が必要:建て替えには地主の承諾が必須であり、承諾料が発生する
- 建築制限の確認:契約内容によっては、建物の構造や階数に制限がある場合がある
- 建て替え期間中の地代:建物が存在しない期間も地代の支払いは継続する
- 残存期間との兼ね合い:定期借地権の場合、残存期間が短いと建て替えの投資回収ができない
売却時の注意点
将来的に売却を考える場合、借地権付き建物は以下の理由から売却が難しくなる可能性があります。
| 売却を困難にする要因 | 具体的な問題 |
|---|---|
| 買い手が限られる | 借地権に対する理解不足や、融資の受けにくさから購入希望者が少ない |
| 売却価格が低くなる | 所有権付き物件と比較して、大幅に安い価格でしか売れない場合がある |
| 地主の承諾が必要 | 地主との関係が悪化している場合、承諾を得られず売却できない |
| 残存期間の影響 | 定期借地権で残存期間が短い場合、ほとんど価値がなくなる |
特に定期借地権の場合、契約期間満了が近づくにつれて資産価値が急激に低下します。購入時点での残存期間を確認し、自分が住む予定期間との兼ね合いを考慮することが重要です。
購入前の総合的な検討
借地権付き建物を購入する際は、以下のポイントを総合的に検討しましょう。
- 何年間その建物に住む予定か
- 将来的に建て替えの必要性があるか
- 相続や売却の可能性はあるか
- 地主との関係を良好に保てそうか
- 月々の地代負担は家計に無理がないか
これらの点を慎重に検討し、長期的な視点で自分のライフプランに合っているかを判断することが、借地権付き建物購入成功の鍵となります。不安な点がある場合は、不動産の専門家や弁護士に相談することをお勧めします。
借地権の価格と評価
借地権を売買したり相続したりする際には、その権利にどれくらいの価値があるのかを適切に評価することが重要です。借地権の評価額は、相続税や贈与税の計算の基礎となるだけでなく、売却時の価格交渉においても目安となります。
ここでは、借地権の評価に必要な「借地権割合」と「借地権価格の算定方法」について詳しく解説します。
借地権割合とは
借地権割合とは、土地に対する借地権の割合を数値で示したものです。土地を貸して(借りて)、その上に建物が建っている場合には、その一つの土地に、地主と借地権者の二人の権利が存在することになります。
土地全体の価値を100%としたとき、借地権者の権利がどの程度の割合を占めるかを示す指標が借地権割合です。残りの割合は地主の権利(底地権割合)となり、「借地権割合+底地権割合=100%」という関係が成り立ちます。
借地権割合は、相続税や贈与税の計算において非常に重要な指標となります。この割合は地域によって異なり、一般的に商業地域など利便性の高いエリアでは高く、郊外や住宅地では低く設定されています。
具体的には、借地権割合は国税庁ホームページの「路線価図・評価倍率表」で確認可能です。路線価図では、道路に面した土地の1平方メートルあたりの価格(千円単位)とともに、アルファベット記号で借地権割合が示されています。
| 記号 | 借地権割合 |
|---|---|
| A | 90% |
| B | 80% |
| C | 70% |
| D | 60% |
| E | 50% |
| F | 40% |
| G | 30% |
例えば、路線価図に「270D」と表示されている場合、路線価は1平方メートルあたり27万円で、借地権割合は60%(D)であることを意味します。
路線価が定められていない地域では、固定資産税評価額で評価されます。固定資産税評価額は、市区町村が発行する固定資産税の納税通知書や固定資産税評価証明書で確認可能です。借地権割合は、その市区町村の評価倍率表に記載されています。
借地権割合の確認は、国税庁「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」から行うことができます。
借地権価格の算定方法
借地権価格の算定方法は、借地権の種類によって異なります。ここでは、普通借地権と定期借地権の評価方法をそれぞれ解説します。
普通借地権の価格算定
普通借地権の価格の計算方法は以下のとおりです。普通借地権の借地権価格=土地の評価額×借地権割合。
普通借地権の評価は比較的シンプルで、土地の自用地評価額に借地権割合を乗じるだけで計算できます。
例えば、路線価が1平方メートルあたり30万円、土地面積が100平方メートル、借地権割合が60%(D)の場合、以下のように計算します。
| 項目 | 計算式 | 金額 |
|---|---|---|
| 土地の評価額 | 30万円×100㎡ | 3,000万円 |
| 借地権価格 | 3,000万円×60% | 1,800万円 |
| 底地権価格(地主の権利) | 3,000万円×40% | 1,200万円 |
このように、土地全体の価値3,000万円のうち、借地権者の権利は1,800万円、地主の権利は1,200万円と評価されます。
定期借地権の価格算定
定期借地権の価格の計算方法は以下のとおりです。定期借地権の借地権価格=土地の評価額×(A÷B)×(C÷D)。
各記号の意味は以下の通りです。
| 記号 | 内容 |
|---|---|
| A | 定期借地権の設定時における借地権者に帰属する経済的利益の総額 |
| B | 定期借地権の設定時における土地の通常取引価額 |
| C | 課税時期における定期借地権の残存期間年数に応ずる基準年利率による複利年金現価率 |
| D | 定期借地権の設定期間年数に応ずる基準年利率による複利年金現価率 |
「借地人に帰属する経済的利益」とは、適正地代と支払地代との乖離で発生する差額地代について、存続期間を基に現在価値へ置き換えた金額をいいます。
定期借地権の評価は普通借地権と比べて非常に複雑で、権利金や保証金の額、契約期間、残存期間など多くの要素を考慮する必要があります。
定期借地権の借地権価格は、国税庁のホームページに掲載されている「定期借地権等の評価証明書」の各項目を記入することで計算できます。複利年金原価率も、国税庁のホームページで公開されています。
ただし、普通借地権に比べると、定期借地権の価格の計算方法はかなり複雑です。自分で借地権価格を調べるのが難しい場合は、不動産会社などの専門家に依頼するといいでしょう。
実際の売却価格との違い
ここまで解説してきた評価額は、主に税務上の評価額であり、実際の売却価格とは異なる場合があります。実際の売却価格は、地主との関係性、地代の額、更新料や建替え承諾料の有無、住宅ローンが利用できるかどうかなど、さまざまな要素によって変動します。
一般的に、実際の売却価格は税務上の評価額よりも低くなる傾向があります。特に定期借地権の場合は、残存期間が短いほど価値が低下します。
借地権の売却を検討する際は、税務上の評価額を参考にしつつも、複数の不動産会社に査定を依頼し、市場での適正価格を把握することが重要です。
借地権のトラブル事例と対処法
借地権付き物件は、地主と借地人という二つの立場の当事者が存在するため、さまざまなトラブルが発生しやすい性質を持っています。トラブルの多くは、法律や契約内容への理解不足、当事者間のコミュニケーション不足から生じます。
土地の貸し借りには、借地権を持つ借地権者と土地を保有している地主が存在するため、必然的にトラブルが起きやすく、場合によっては土地からの立ち退きを要求されることもあります。本章では、借地権に関してよくあるトラブル事例とその対処法について解説します。
よくあるトラブル
借地権を巡っては、地主側・借地人側の双方において、さまざまなトラブルが発生します。ここでは代表的なトラブル事例を取り上げ、具体的な状況と問題点を整理します。
地代の値上げ・滞納に関するトラブル
地主から突然地代や更新料の値上げを要求され、トラブルへ発展するケースも少なくありません。地主は、土地の固定資産税や都市計画税の上昇、地価の変動、周辺地域の賃料相場の上昇などを理由に、地代の値上げを要求する権利が借地借家法第11条で認められています。
しかし、借地人の同意がない限り、地主が一方的に地代を引き上げることはできません。値上げ要求を受けた場合は、まず賃貸借契約書の内容を確認し、地代改定に関する条項があるかをチェックしましょう。また、地主に対して値上げの根拠を明確に示してもらい、周辺の地価や賃料相場と比較して妥当性を検討することが重要です。
一方、借地人側の地代滞納も深刻なトラブルに発展しやすい問題です。地代の支払が1、2回遅れただけでは、債務不履行で即契約解除とはならないケースが多いのですが、何ヶ月も支払が遅れている、数カ月分まとめて支払うことが何度もある場合は解除が認められた事例があります。支払いが困難な状況にある場合は、早期に地主へ連絡し、支払いの猶予や分割払いなどの交渉を行うことが大切です。
更新料に関するトラブル
借地契約の更新時には、通常、更新料の支払いが求められます。更新料は一般的に借地権価格の5%程度が相場とされていますが、契約書に明確な定めがない場合や、金額の妥当性を巡ってトラブルになることがあります。
更新料の支払いは法律上の義務ではありませんが、契約書に記載がある場合は支払い義務が生じます。地主から相場を大幅に超える高額な更新料を請求された場合は、契約書の内容を確認し、周辺の相場と比較検討したうえで、地主との交渉を進めることが必要です。
売却・譲渡時の承諾に関するトラブル
借地権と借地上の建物は借地人の財産のため売買が可能ですが、賃借権の譲渡には地主の許可が必要となります。地主の承諾を得ずに売買を進めてしまうと、借地契約解除の事由になる可能性があります。
地主が承諾を拒否する理由としては、新しい借地人の信用不安、手続きの煩雑さ、あるいは感情的な理由などさまざまです。また、承諾料(譲渡承諾料)が法外に高額に設定されるケースもあります。一般的に譲渡承諾料の相場は借地権価格の10%程度とされていますが、明確な法的規定はありません。
地主から承諾が得られない場合や、不当に高額な承諾料を請求された場合は、借地借家法第19条に基づき、裁判所へ借地権の譲渡許可を求める申立て(借地非訟)を行うことができます。
建て替え・増改築に関するトラブル
借地契約書には、「建て替えや増改築には地主の承諾を得る必要がある」という特約が定められています。建物は借地人が自らの費用で建設した財産ですが、借地という性質上、地主の承諾なく自由に建て替えや増改築を実施することはできません。
地主が建て替えや増改築を承諾しない理由としては、建物の構造変更による土地への影響への懸念、将来の土地返還時の問題、または単に関係性の悪化などが考えられます。承諾を得る際には、通常、借地権価格の3~5%程度の承諾料が発生することが一般的です。
地主の承諾が得られない場合には、裁判所に対して借地借家法第17条に基づく増改築許可の申立てを行うことができます。ただし、建物の老朽化や借地人の生活上の必要性など、一定の合理的な理由が必要となります。
契約更新拒否・立ち退き要求に関するトラブル
地主から借地の契約更新を拒否されるトラブルも、よくある事例のひとつです。普通借地権や旧借地権の場合、借地人が希望する限り契約は自動更新されるのが原則です。地主が更新を拒否するには、借地借家法第6条に定められた「正当な事由」が必要となります。
正当な事由として認められるのは、地主自身がその土地を使用する必要性が高い場合、借地人の土地使用の必要性が低い場合、過去の経緯や土地利用状況、さらには立退料の提供などを総合的に考慮して判断されます。単に「土地を返してほしい」という地主の一方的な要望だけでは、正当な事由とは認められません。
ただし、定期借地権の場合は契約期間満了時に更新がないため、期間満了とともに土地を返還する必要があります。この点は契約時に十分に理解しておくことが重要です。
相続に関するトラブル
借地権も財産のため、借地人が亡くなった場合は相続が発生します。借地権の相続は譲渡ではないため、法定相続人への相続には地主の承諾は不要です。しかし、地主から名義変更料を請求されるケースがあります。
相続による借地権の取得は譲渡にあたらないため、法律上、地主の承諾や承諾料の支払いは不要です。不当な請求には応じる必要はありません。ただし、良好な関係を維持するために、相続が発生した旨を地主に通知することは推奨されます。
また、相続人が複数いる場合、借地権を共有名義で相続すると、将来的に売却や活用を検討する際に全員の同意が必要となり、トラブルの原因となります。遺産分割協議で誰が単独で相続するかを明確にしておくことが望ましいでしょう。
地主の変更に関するトラブル
地主が土地を第三者に売却したり、相続によって地主が変わったりした場合、新しい地主との関係構築が必要になります。新地主が借地契約の内容を十分に理解していなかったり、前地主とは異なる方針を持っていたりすることで、トラブルに発展するケースがあります。
ただし、借地権は対抗要件(借地上に登記された建物があること)を備えていれば、地主が変わっても借地権は新地主に対しても主張できます。新地主から不当な要求を受けた場合でも、契約内容に基づいて適切に対応することが重要です。
| トラブルの種類 | 主な原因 | 影響を受ける当事者 |
|---|---|---|
| 地代の値上げ | 固定資産税の上昇、地価の変動 | 借地人 |
| 地代の滞納 | 経済的困窮、支払い忘れ | 地主・借地人双方 |
| 更新料の金額 | 契約書の不明確さ、相場認識の違い | 借地人 |
| 売却時の承諾 | 地主の不安、高額承諾料の要求 | |
| 建て替え承諾 | 地主の懸念、承諾料の金額 | |
| 契約更新拒否 | 地主の土地利用希望、関係悪化 | |
| 相続時の名義変更 | 法律知識の不足、不当請求 | 相続人 |
トラブル回避のポイント
借地権に関するトラブルを未然に防ぎ、万が一トラブルが発生した場合にも適切に対処するためには、以下のポイントを押さえておくことが重要です。
契約書の内容を正確に理解する
借地契約書には、地代、更新料、承諾料、建て替えや増改築に関する条項など、重要な取り決めが記載されています。契約時にはこれらの内容を十分に理解し、不明な点があれば契約前に地主や不動産会社に確認することが不可欠です。
また、契約書は大切に保管し、必要な時にすぐに参照できるようにしておきましょう。古い契約の場合、契約書が見つからないケースもありますが、その場合は法務局で登記簿を確認したり、専門家に相談したりすることをお勧めします。
地主との良好な関係を維持する
借地権は長期間にわたる契約関係であるため、地主との信頼関係を築くことが何よりも重要です。地代の支払いは期限内に確実に行い、連絡事項があれば速やかに報告するなど、誠実な対応を心がけましょう。
特に建て替えや売却など、地主の承諾が必要な事案については、事前に十分な説明を行い、地主の理解を得る努力が必要です。日頃からのコミュニケーションがスムーズな合意形成につながります。
法律や制度を正しく理解する
借地借家法をはじめとする関連法規を正しく理解しておくことで、不当な要求に対して毅然と対応できます。例えば、相続時の名義変更料や、法外に高額な承諾料の請求など、法律上支払う必要のない費用を要求されるケースもあります。
基本的な法律知識を持つことで、自身の権利を守りながら適切に対応することが可能になります。ただし、複雑な法律問題については専門家の助言を求めることが賢明です。
早期に専門家へ相談する
借地権のトラブルは地主との関係が良好であるかどうかによって、対応方法が大きく異なっていきます。仮に、地主との関係が悪化している場合は、両者の話し合いだけで解決することは難しいため、第三者である弁護士に依頼して仲介をしてもらう形になります。
トラブルが深刻化する前に、早い段階で専門家に相談することで、問題の悪化を防ぐことができます。相談先としては、借地権に詳しい弁護士、不動産鑑定士、借地権専門の不動産会社などが挙げられます。特に法律問題に発展しそうな場合は、借地権トラブルの実績が豊富な弁護士に相談することをお勧めします。
記録を残す習慣をつける
地主とのやり取りは、できる限り書面やメールなど記録に残る形で行いましょう。口頭での約束は後でトラブルの原因となることがあります。特に重要な合意事項については、書面で確認を取り、双方で保管しておくことが望ましいです。
地代の支払いについても、振込記録や領収書を必ず保管し、支払いの証拠を残しておくことが重要です。万が一トラブルに発展した場合、これらの記録が有力な証拠となります。
定期的な契約内容の見直し
長期間にわたる借地契約では、社会情勢や地価の変動により、契約内容と現状が乖離することがあります。契約更新のタイミングなどで、地代や契約条件が適正かどうかを見直し、必要に応じて地主と話し合いを行うことで、将来的な大きなトラブルを防ぐことができます。
第三者への売却を検討する
地主とのトラブルが解決困難な状態に陥っている場合や、借地権の管理に負担を感じている場合は、借地権専門の買取業者への売却も選択肢の一つです。専門業者は借地権を「そのままの状態」で買い取るノウハウを持っているため、地主との交渉を代行してくれることもあります。
売却を検討する場合は、複数の業者から査定を取り、信頼できる業者を選ぶことが大切です。また、売却時には地主の承諾が必要となる点も忘れずに確認しましょう。
借地権でよくある質問
借地権に関して、多くの方が疑問に思う点について、実務的な観点から解説します。契約更新時の更新料や建て替え時の手続き、地主変更時の影響など、借地権者が直面しやすい問題について具体的に説明します。
借地権の更新料はいくら?
借地権の更新料は、法律上の支払い義務は原則としてありませんが、契約書に明記されている場合や当事者間で合意がある場合、過去に支払い実績がある場合には支払いが求められます。
更新料の金額は地域や契約条件により異なりますが、一般的には借地権価格の3%〜10%程度が目安です。慣習上、更新料の相場は「更地価格の3~5%前後」が目安となっている事が多いようですが、首都圏では高めになる傾向があるようです。
更新料は、貸主との関係悪化によるトラブルや「正当な理由」を持ち出して契約の更新を拒否することを回避し、契約の範囲内で土地を使わせてもらうために借地権者が自発的にあるいは貸主の要求に応じて支払うものという性質があります。
更新料を支払う義務が発生するケースは以下の通りです。
| ケース | 内容 |
|---|---|
| 契約書に明記されている場合 | 土地賃貸借契約書に更新料の支払いが明記されており、双方の署名と押印がある場合は支払い義務が発生します |
| 当事者間で合意がある場合 | 契約書に記載がなくても、地主と借地権者の間で更新料について合意がなされている場合は支払い義務が発生します |
| 過去に支払い実績がある場合 | 過去に更新料を支払っている場合は、当事者間で支払いの慣行があったと見なされ、支払いが求められる可能性が高くなります |
更新料の支払いが困難な場合は、地主に分割払いや延納を相談することが考えられます。どうしても支払えない場合や、更新料の適正な金額について不安がある場合は、弁護士や不動産の専門家に相談することで、適切なアドバイスを受けることが可能です。
建て替え時の注意点は?
借地上の建物を建て替える際には、地主の承諾を得ることが必要です。この承諾を得る際に、建て替え承諾料(増改築承諾料)の支払いを求められることがあります。
建て替え承諾料は法律上の支払い義務はありませんが、契約書に明記されている場合や、双方が合意している場合、支払いの義務が生じます。建て替え承諾料の相場は、更地価格の3%~5%程度で、更新料の相場とほぼ変わりません。一部建て替え時の承諾料の相場は、更地価格の2%~3%程度と低くなる場合もあります。
建て替え時の主な注意点は以下の通りです。
| 注意事項 | 詳細 |
|---|---|
| 地主への事前通知 | 建物を建て替える際は、事前に地主に通知し、承諾を得る必要があります。承諾が得られない場合は裁判所に許可を求めることもできます |
| 建て替え承諾料の交渉 | 承諾料の金額は地主との交渉により決まります。相場を参考にしながら、双方が納得できる金額を話し合うことが重要です |
| 建物の構造変更 | 木造などの非堅固な建物から鉄筋などの堅固な建物へ建て替える場合、借地契約の期間が20年から30年へ条件変更されることがあります |
| 既存不適格建築物 | 法改正等により現在の法律に適合しなくなった建築物や、接道義務を満たしていない建物は、地主の承諾を得られても建て替えられない場合があります |
| 建築確認申請 | 建て替えには建築確認申請が必要です。地主の承諾を得た上で、建築基準法に適合した建物を建築する必要があります |
建て替えを円滑に進めるためには、地主との良好な関係を普段から維持しておくことが重要です。事前に十分な説明を行い、理解を得るよう努めましょう。また、建て替えの計画段階から専門家に相談し、法的な問題や手続きについてアドバイスを受けることをお勧めします。
地主が変わった場合はどうなる?
借地権が設定されている土地の地主が変わった場合でも、借地権者の権利は引き続き保護されます。地主の変更により借地契約が無効になることはなく、借地権者は新しい地主に対しても従来の借地権を主張できます。
地主が変わった際の主な影響と注意点は以下の通りです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 借地権の継続 | 地主が変わっても、借地権は新しい地主に対しても引き続き有効です。借地契約の内容(地代、契約期間など)も原則として変わりません |
| 地代の支払先 | 地代の支払先が新しい地主に変わります。新しい地主から通知が来た場合は、速やかに支払先を変更しましょう |
| 契約条件の変更 | 新しい地主が契約条件の変更を求めてくることがありますが、借地権者の同意なしに一方的に変更することはできません |
| 地代の値上げ要求 | 新しい地主が地代の値上げを求めてくる可能性がありますが、正当な理由がなければ応じる必要はありません。話し合いで解決できない場合は調停や裁判で決定されます |
| 関係構築の重要性 | 新しい地主とも良好な関係を築くことが重要です。挨拶を行い、契約内容を確認し合うなど、円滑なコミュニケーションを心がけましょう |
| 借地契約書の確認 | 地主が変わった際は、改めて借地契約書の内容を確認し、必要に応じて契約書のコピーを新しい地主と共有することをお勧めします |
新しい地主が不当な要求をしてきた場合や、トラブルが生じた場合は、早めに弁護士や不動産の専門家に相談することが大切です。借地権は法律によって強く保護されているため、正当な権利を主張することができます。
また、地主が変わったことを機に、借地権付き建物の売却を検討する方もいます。その場合は、借地権の買取に精通した専門業者に相談することで、スムーズな売却が可能です。
まとめ
借地権とは、建物の所有を目的として他人の土地を借りる権利のことで、地上権と土地の賃借権の2種類があります。契約期間や更新の有無によって、普通借地権と定期借地権(一般定期借地権、事業用定期借地権、建物譲渡特約付借地権)に分類されます。
借地権の最大のメリットは、借地人にとって土地購入費用が不要で初期費用を抑えられること、地主にとっては土地の所有権を維持しながら地代収入を得られることです。一方、借地人は地代の支払いや建て替え時の地主の承諾が必要などの制約があり、地主は土地を自由に活用できないというデメリットがあります。
借地権は相続が可能で、地主への通知は必要ですが承諾は不要です。相続税の計算では、借地権割合を用いて評価額が算定されます。
借地権付き建物を購入する際は、契約内容(借地権の種類、契約期間、地代など)を十分に確認し、地主の承諾取得や名義変更料、住宅ローンの融資条件などに注意が必要です。将来の建て替えや売却時にも地主の承諾が必要となるため、長期的な視点で検討することが重要です。
トラブルを避けるためには、契約内容を書面で明確にし、地代の支払いを滞納しないこと、建て替えや増改築の際は事前に地主と協議することが大切です。不明な点がある場合は、不動産の専門家や弁護士に相談することをおすすめします。
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