借地上の建物の確実な「リフォーム・修繕」

借地上の建物の多くには、無断増改築禁止の特約があります。

しかし、リフォーム・修繕は、増改築ではないので、地主の許可なく、自由にできます。「建築の床面積が増加することがなく、建物の耐用年数に大きな影響のない工事」は、地主の許可不要のリフォーム・修繕です。ただし、地主の許可不要のリフォーム・修繕でも、道路に足場がはみ出る場合の道路管理者による道路占有の許可や、近隣への配慮等、建物工事に一般的に必要とされる配慮は、当然必要です。

それでは、地主が、地主の許可不要のリフォーム・修繕工事なのに、無断増改築だと言ってくるような場合、どうすれば良いのでしょうか。

まず、外観から分かるような、足場を組んでのリフォーム・修繕工事を行った場合、何も知らない地主から、工事停止の仮処分、等を実施されると、面倒です。

このため、目立つリフォーム・修繕工事の前には、地主に予め連絡しておいた方が無難でしょう。

それでも、地主が、地主の許可不要のリフォーム・修繕工事との連絡を受けているにもかかわらず、文句を言ってくる場合は、どのように対処するのが良いのでしょうか。

確実な方法の一つは、借地借家法17条2項の増改築の許可を求める借地非訟手続きを申し立てることです。

この申立をした場合、裁判所は、鑑定委員会に現地での鑑定をさせて、「建築の床面積が増加することがなく、建物の耐用年数に大きな影響のない」と認定すると、増改築の許可の申立を、許可する必要がないとして、却下してくれます。裁判所の却下決定を得れば、大手を振って、堂々とリフォーム・修繕工事が可能です。

ただし、増改築の許可の申立には、現況平面図、工事平面図、立面図、側面図、容積に関する図面等が必要なこと、弁護士に依頼せざるを得ないこと、審理に半年前後はかかること等は、面倒です。

なお、「建物の耐用年数に大きな影響のない」という要件は、私には、良く分かりません。実際のところ、多くの建物は、適切にメインテナンスしている限り耐用年数は相当にあるということになると思うので、ほとんど意味のない要件のように思っています。

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