兄弟で借地権を相続する場合は遺産分割がおすすめ!共有するデメリットや相続の注意点を紹介

「借地上の実家を相続することになったが、どんな手続きが必要なのか」、「地主の許可は必要?」、「兄弟と共有するのは問題ない?」…借地権を相続するにあたって、こうした疑問にぶつかるかもしれません。

実は借地権の相続は、一般的な不動産相続以上に検討すべきポイントが多く、地主との関係性も大切です。

この記事では、特に兄弟の間で起こる借地権の相続にまつわる疑問や不安を解消するため、相続の対象者や共有相続のデメリット、注意点についてわかりやすく解説します。

借地権は財産価値があるため相続の対象

借地権は、建物を所有するために他人の土地を借りて使用できる権利です。この権利は不動産上で財産としての価値があり、相続の対象となります。

借地に関する手続きでは地主の許可が必要となるケースが多いですが、相続については地主の許可は要りません。承諾料(名義変更料)も支払う必要がありません。ただし、誰が相続したのかは知らせておくことが望ましいでしょう。

また、借地権は相続放棄を選ぶこともできますが、借地権のみを放棄することはできず、預貯金や株式など、被相続人の財産をすべて放棄することになるため注意が必要です。

相続放棄を検討する際は、プラスの財産が他にないか、放棄しても問題ないかを相続人同士でよく話し合うことが大切です。

借地権を相続できる人は誰?

借地権を相続できるのは「法定相続人」です。

以下の順序で相続権が発生します。

  1. 配偶者
  2. 子ども(子どもが亡くなっている場合は直系の孫やひ孫)
  3. 兄弟姉妹(兄弟姉妹が亡くなっている場合は彼らの子ども)

相続人の立場によって、法定相続分(相続の割合)が定められています。

また、遺言により、法定相続人以外の人に借地権を譲渡(遺贈)することも可能です。ただし、地主の承諾が必要となり、通常は土地価格の10%ほどの承諾料を支払うことになります。

兄弟で借地権を共有相続するデメリット

相続財産の中に借地権がある場合、預貯金などと違って簡単に分割することができません。一時的な解決策として兄弟で共有相続するケースがありますが、これは将来的なトラブルの原因となりやすいものです。

例えば、意見の相違による対立や、維持管理の負担(地代や更新料の支払いなど)が発生する可能性があります。

以下では、具体的なデメリットについて解説します。

世代交代により相続人が増える

当初は兄弟2、3人での共有相続でスタートしても、次の世代で相続が発生すると、その相続人にも権利が引き継がれていきます。例えば、共有者の1人が亡くなった場合、その配偶者や子どもたちにも権利が分散します。

このように世代を重ねるごとに権利者が増えていくことを「二次相続」と呼びます。権利者が増えるほど、トラブルになる可能性は高くなるでしょう。

そのため、借地権付き建物については、できるだけ単独名義にしておくことが望ましいと言えます。

売却や建て替えには全員の同意が必須

借地権を共有している場合、建物の売却や建て替えなどの決定には共有者全員の同意が必要です。例えば、建物が老朽化して建て替えが必要な場合でも、共有者間で意見がバラバラになれば建て替えることはできません。

さらに深刻なのは、建物が朽廃(建物が傷みすぎて使用に耐えない状態)すると、借地権そのものが消滅してしまう可能性があることです。

共有相続者全員に税金を支払う義務が生じる

共有相続では、固定資産税などの納税義務は共有者全員に発生します。これを避けるために1人の名義にすると、共有者全員に贈与税がかかってしまいます。

また、売却を選んだ場合には、同じく全員に譲渡所得税が発生するだけでなく、地主の許可も必要です。つまり、相続時は要らなかった承諾料を支払わなければなりません。

借地権は遺産分割協議で分けよう!

遺産分割協議とは、相続人全員で話し合って相続財産の分け方を決める手続きです。誰がどの財産を相続するのか、現金でいくら受け取るのかなどを決めていきます。

まず、被相続人の財産をすべて調べることから始まります。預貯金、不動産、借地権など、あらゆる財産を洗い出し、それぞれの評価額を確認して「財産目録」を作成します。

次に、相続人全員が集まって話し合います。誰がどの財産を引き継ぐのかを決めていき、財産をそのまま相続する方法だけでなく、不動産などを売却してそのお金を分配する方法を選べるでしょう。

話し合いがまとまれば、その内容を「遺産分割協議書」という書面にまとめます。

協議書の作成後は、それぞれの財産の名義変更手続きに入ります。不動産であれば所有権移転登記、借地権付きの建物であれば建物の登記変更など、財産の種類に応じた手続きが必要です。

最後に相続税の申告を行います。借地権も相続財産として課税されるためです。計算方法は「土地の更地評価額×借地権割合」です。

借地権を相続する場合の注意点

借地権の相続には、いくつか注意すべきポイントがあります。

以下では、特に気をつけるべきポイントについて解説していきます。

相続後に建て替える際は地主の承諾が必須

建物を建て替えたり増改築したりする場合は、まず「土地賃貸借契約書(借地契約書)」をチェックしましょう。

増改築する際に地主の承諾を得る旨が書かれている(増改築禁止特約がある)場合は、地主の許可が必須です。承諾を得ずに工事を始めてしまうと、契約違反となり借地契約を解除されるかもしれません。

通常、承諾を得る際には更地価格の3~5%の承諾料が必要となりますが、この金額は地域や状況によって変動することがあります。

なお、増改築禁止特約がなかった場合にも、地主との良好な関係を維持するため、増改築を行う際はあらかじめ連絡しておくことが望ましいでしょう。

借地権付き建物を売却する際は地主の承諾が必要

相続した借地権付きの建物(マイホーム)を第三者に売却する場合、必ず地主の承諾を得る必要があります。これは、借地権の譲渡に当たるためです。

建て替えと同じく、承諾を得ずに売却すると、契約違反として借地契約を解除されるかもしれません。

売却の承諾を得るためには、「譲渡承諾料」として借地権価格の10%ほどを支払うことが一般的です。

地主に買い取ってもらうこともできる

借地権は地主に買い取ってもらう(返す)という選択肢もあります。この場合、第三者への売却時のような承諾料は不要ですが、買い取りに応じるかどうかは地主の意向次第です。

地主にとっては、土地を自由に使えるようになるメリットがある一方で、まとまった資金が必要になるというデメリットもあります。地主が買い取りに応じない可能性もあるでしょう。

また、買取価格は、第三者への売却価格よりも低くなるかもしれません。借主側の都合で買い取りを依頼するため、交渉力が弱くなりがちだからです。

相続後の建物は名義変更が必要

借地権を相続した場合、借地上の建物については必ず名義変更(相続登記)が必要です。

名義変更を怠ると、地主が土地を第三者に売却した際に、その新しい所有者に対して借地権を主張できなくなる(対抗力を失う)リスクがあります。

また、建物の名義人は必ず土地の借主(借地権者)と一致させておく必要があります。不一致があると、将来的に権利関係が不明確になり、トラブルの原因となるかもしれません。

なお、まれに借地権自体が登記されているケースもありますが、借地権の名義変更も必要となります。手続きの際には、相続人の戸籍謄本や住民票などの書類も用意しましょう。

借地権が複雑な場合は専門家へ相談!

借地権の相続では、権利関係が複雑になるケースが少なくありません。

よくあるのは、借地権者と建物所有者が異なる場合です。例えば、借地権は父親名義なのに、建物が父母の共有になっているようなケースがあります。父親が地主から承諾を得て母親に借地を使用させた結果として起こるかもしれません。

また、長年の間に権利関係が変更されているものの、書類がきちんと保管されておらず、誰が実際の借地権者なのかさえ不明確になっているケースもあります。

こうした場合は、遺産の評価額が不正確になったり、遺産分割のやり直しが必要になったりするほか、相続人以外の第三者から権利主張がされることもあるでしょう。

このように複雑なケースでは、素人判断は避け、早い段階で弁護士などの専門家に相談することが望ましいです。権利関係を正確に把握し、必要な書類を収集・整理することで、トラブルを防ぐことができます。

まとめ

借地権の相続では、法定相続人への相続に地主の承諾は不要ですが、建物の建て替えや売却時には承諾が必要となります。

また、共有相続は世代交代による権利者の増加や、意思決定の難しさから将来的なトラブルの原因となりやすいため避けるべきです。

相続後は必ず建物の名義変更を行い、権利関係を明確にしておくことが重要です。不明な点がある場合は、早めに専門家への相談を検討しましょう。

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